断酒してなにしてる?

39歳のクリスマスに断酒を誓いました。持て余した時間にこんなことしてるトゥルーマン・ショー

2019年4月の読了

内々示のデマに踊らされたり、中古車を買って生活が変わったり。。。

 

僕が愛したすべての君へ 乙野四方字 

並行世界のすべての君を可能性ごと愛している。人の一生を書ききるには頁が足りない。対の小説とどちらから読むか、多分逆からの方が綺麗であったのだろう。その場合の並行世界の自分は何を思うんだろう…私事に置き換えて夢想。無性に今が幸せに思えてくる。

オレたち花のバブル組 池井戸潤 

組織に翻弄され倍返しで抗うアラフォー。ダークぶりにワクワクする。この年代に味わう迷い、見切り、再起全てのシーンが詰まってる。武将の一騎打ちで合戦や成敗が起きてる所は現実と違うけど、境遇が自分とダブって仕方ない。部署も役職も結末も社風も怖いほど。

オレたち花のバブル組 (文春文庫)

オレたち花のバブル組 (文春文庫)

 

君を愛したひとりの僕へ 乙野四方字 

僕へ約束を託す。君へ幸せを伝える。1冊ずつの世界線、2冊同時刊行である意味がそこにある。愛してるわけではなかったのか、ただただ救いたかったのか、狂気と執念が行き着く先に思いを馳せます。読了から時間が経つほどに、他作品のそれと比べてしまう。

ロスジェネの逆襲 池井戸潤 

「俺は役に立ってみせます」10年前、自分の活路を開いたことになる顧客への啖呵を思い出した。人生訓上等。熱くなって泣きそうになってしまう。出向前の自分の片鱗が、この本に残ってる。人事なんて気にしたこともなかった頃。「何か変か?」って笑い飛ばしてやれよ。

ロスジェネの逆襲 (文春文庫)

ロスジェネの逆襲 (文春文庫)

 

笑わない数学者 森博嗣 

オリオンの謎はすぐ解けないか?と思って辿った先は、有限と無限がくるんと入れ替わる車酔いの気持ち。刹那訪れるこの本の世界観に天を仰ぐ。些末な問題や真実の考察こそ、この本の題意である。すべてがFといい、これといい、読む前にタイトルとじっくり向き合うべき。

笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE (講談社文庫)

笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE (講談社文庫)

 

サスツルギの亡霊 神山裕右 

埋もれて発掘されるのも巡り合わせか。南極に閉ざされたこの作品は発掘された。著者が南極越冬隊に参加したのかと思うほど克明な描写。”神々の山嶺”を荒削りに蒼くしたような。著者の近況の方が気になる、スピーチに負けるなと、30代のうちに1作出してほしい。

サスツルギの亡霊 (講談社文庫)

サスツルギの亡霊 (講談社文庫)

 

のび太の月面探査記 辻村深月 

あんなこといいなできたらいいな♪この言葉に込められたドラえもん最大のテーマをどストレートに放ってくる。そう、ボクたちには皆、等しく力があるんだから。ラストでほろりと来るところも、勘所を抑えていてニクいね!映画でキャラのディティールを確かめたくなる

わたしたち、何者にもなれなかった 瀬那和章 

自分で選んだはずなのに。自分の場所を確かめるため互いを比べ合い、逃げ道を求め無理にしがみつく。中年に差し掛かり、戻れない事に折合いを付けようとするリアルな既視感。剥き出しの心の声が独特な文章で刺してくる。この小説は私の心を支配する。 

わたしたち、何者にもなれなかった

わたしたち、何者にもなれなかった

 

ソードアート・オンライン21 川原礫

新章。世界は突然統一する。分冊シリーズだからって1冊の話でもご馳走様ができないと不満なんだぞと、延々とトンテンカンテンを読み進めて…準備万端。次巻が楽しみです。ただ、SAO好き、ネトゲ経験のないお子達には意味不明の1冊になってしまった模様。