2017年9月の読了 速読の効果
- 今日も君は、約束の旅に出る 瀬那和章
- 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) 伊藤計劃
- 速読トレーニング 角田和将
- 世界から猫が消えたなら 川村元気
- どんな本でも大量に読める「速読」の本 宇都出雅巳
- 海の底 (角川文庫) 有川浩
- 何者 (新潮文庫) 朝井リョウ
- ツナグ (新潮文庫) 辻村深月
- 望み 雫井脩介
- ちょっと今から仕事やめてくる (メディアワークス文庫) 北川恵海
- アルケミスト パウロコエーリョ
- ナミヤ雑貨店の奇蹟 東野圭吾
- 天久鷹央の推理カルテ 知念実希人
- 切れない糸 (創元推理文庫) 坂木司
- 天久鷹央の推理カルテII: ファントムの病棟 (新潮文庫nex) 知念実希人
- 失われた地図 恩田陸
- あなたは、誰かの大切な人 (講談社文庫) 原田マハ
- 絶叫 (光文社文庫) 葉真中顕
- 天久鷹央の推理カルテIII: 密室のパラノイア (新潮文庫nex) 知念実希人
- すべてがFになる (講談社文庫) 森博嗣
今日も君は、約束の旅に出る 瀬那和章
約束に振り回され彼は今日も強制転送。
「〜したら〜する」そんな約束をしなくなって久しい。
絶望からそんな約束が彼の想いを超えて繋がりを紡ぎだす。
「別れる前に何でもいいから約束をしなさい。いつまでも繋がっていられる」
今更でもそうしたい。
展開の熱さにぼろぼろ涙しました。
目が壊れるくらい私の琴線に触れたんです。
でもあまり売れなかったみたいで、中古価格の下落が早かった。
・・・タイトルのせいだと思うんですよね。
もう少しネーミングで売れるのを狙うべきだと思うの。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) 伊藤計劃
虐殺トリガーをバラ撒く言語学者と、罪と罰の実感を求める特殊隊員。「言葉は生存可能性を高めるためにある」との論理に納得。終末の解放感に麻痺しながらも、私も生存する罪を背負っているのか、痛覚が麻痺しているのか。言葉による「実感」が生じるのが怖いとすら感じた。
速読トレーニング 角田和将
本書自体を30分くらいで読了。
2点読みというのをやったら嫌でも文字が頭に入ってくるように…。
「脳には可塑性がある。高速で見られる様になって、あとから徐々に理解力が高まってくる」という迷わず行けよ行けばわかるさ的な本でした。
世界から猫が消えたなら 川村元気
「もし最後の回だとしても今あるいつも通りが大切」確かに共感。他にも格言書いてる。でもメモる程でもない。以前読んだ億男とフレームが似てる。比較はいけないけど同系統の「カラフル」「きのうのカレー…」を意識してしまう。初見が本作なら良かったかも。。。
どんな本でも大量に読める「速読」の本 宇都出雅巳
同じ文章の「3回目で読んだ読み方」が擬似速読である。
ストックがあれば文章は補完される。
わかろうとせず高速回転しろ。
この3つに目からウロコ。
文字を噛みしめるのが礼儀と思ってたけど、小説や教科書ほど、この方法は深くなる。
海の底 (角川文庫) 有川浩
本作に溢れている「格好悪いカッコよさ」が良くて良くて。今回とりわけ悪童圭介に引き込まれた。折れ方がわからず突っ走り、毒親のせいにしないで「楽なことを選んだ自分のせい」と屈辱を晒してケジメをとる。尖った生き方の大人達とその原点みたいな悪童。私も襟を正そう。
何者 (新潮文庫) 朝井リョウ
裏表の切替に豪快に弄ばれた。えげつなくてすっきり。よくぞ人間の優越感を観察し文字にできるものかと。全く同じ経験があったのは私だけじゃないはず。実際に全員いた。「違う場所を見てる誰かの目線の先に自分の中の物を置かなきゃ」夢追いせず手堅い選択を肯定された気分
ツナグ (新潮文庫) 辻村深月
死者とのつなぎ人。
五話の構成が綺麗なので批評しそうになる。中央の三話目に真っ黒い奈落の底が見えて読了後も怖い。黒い描写がほんと巧い。「自分が見たいようにしかまわりを見ない」ってそんなに悪行なのかよ…。「真実なんか信じた主観がすべて」とまとめられた気がする。
望み 雫井脩介
不明被害者一人を含む逃走犯たち。それが家族の一人だったら?パンドラのような話で強烈な苦悩が襲い来る。生きてればいい?潔白ならばいい?こんなの仮想体験したくない!どちらも望めないと思って、終わってみればグッタリ…歳取った。家族には「言いっ放し」だけはやめよう。
ちょっと今から仕事やめてくる (メディアワークス文庫) 北川恵海
娘は「ちゃんと選ぼ」息子は「スカッとした」私は「辞めてほっとしたけど、あんな啖呵切れるなら先にやっててもいんじゃね?」…完全にお花畑な職場はない。次に彼が辛いと思っても、まず「対話」するようになっていればと願う。愚痴でも対面で言わなきゃ。
アルケミスト パウロコエーリョ
海外の寓話って訳す段階で描写がボヤける。だから言葉の美しさや話の展開は求めてない。素敵な人生訓がたっぷり詰まってる。夢や価値観、生業。でも、だからこう変わろう、こうありたいって啓発はされない。夢は適って終じゃないからなーって私の年齢では思う。
アルケミスト―夢を旅した少年 (角川文庫―角川文庫ソフィア)
- 作者: パウロコエーリョ,Paulo Coelho,山川紘矢,山川亜希子
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1997/02/01
- メディア: ペーパーバック
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ナミヤ雑貨店の奇蹟 東野圭吾
映画公開前に読みたかった。一気に読まないと見失う、でもじっくり精読してしまう。実際4時間位だけどそれより遥かに長く読んでいた気分。送受三相の流れが絡む零相電圧の解法みたいな話。理系らしく組み立てた構造。それを認識した満足感が私を支配している。
天久鷹央の推理カルテ 知念実希人
診断、それは地味なイメージなのに手術のような疾走感にクラクラしてくる。会話と話のテンポが絶妙で、アニメか漫画を見ているように映像が浮かんで流れていく。レゾンデートルを語る所、心に刺さった。無敵じゃない可愛さがあるからこそ次巻が読みたくなる。
切れない糸 (創元推理文庫) 坂木司
クリーニング屋家業の集配を継ぐことになった和也。「汚れやほつれ」を直していく。和菓子のアン等とのスターシステムがあって笑みが漏れる。取返しのつかない失敗もなくフラットな感情で読める。根を下ろすっていうのも、大切な夢、目標に違いない事を気付かされます。
天久鷹央の推理カルテII: ファントムの病棟 (新潮文庫nex) 知念実希人
推理主体のライトな前作から、二人の成長でぐっと深みが増す。誰かの想いを受け止める三編。ラストが印象的。かき消えるとわかって呟いた小鳥遊の一言。その切なさ、暖かさ、格好良さに狂おしいほど悶える。この悶えを味わえるなら何度でも読みたい 。
失われた地図 恩田陸
オルタ恩田の話でしたか…。オルタらしく、まとめる気が全くない(笑)。軍隊の靴音が近いんだと言いたげなんだけど、各土地の歴史をかじっては散らかしていく。「怪」掲載作だから…次作でまとまっていくんでしょう…
あなたは、誰かの大切な人 (講談社文庫) 原田マハ
アラフィフ独身女性の短編。疲れた心に効く読む特効薬との触れ込みなのだが。もはや後悔すら辞めた哀愁があって、そこに細やかな一瞬の救いがある。6枚の絵のような美しさ。美しい絵ゆえに共感や投影ができない。むしろ私はアラフィフの現実が怖いのだろう。
絶叫 (光文社文庫) 葉真中顕
私の記憶にある時事、あの時の社会問題が余す所なく盛り込まれ、私は自分を体験する。家族崩壊から始まり、自由を求める彼女の転落は目を背けたいのに掴まれて逃げられない。女の幸せという言葉の幻想を葬り去り、自分を選ぼうとする壮絶な意思。本が脈打つような錯覚を覚える。
天久鷹央の推理カルテIII: 密室のパラノイア (新潮文庫nex) 知念実希人
もはや完全にシリーズにハマった自分を認めよう。読むと止まらない。知念さんの作品は、いろんな形で時限を作ってくるから一気読みになる。ここまで役員決議、危篤、異動発令…。犯罪と疾患を織り交ぜるのも正にお家芸。種明かしを純粋に聞けて面白い。
すべてがFになる (講談社文庫) 森博嗣
アニメと異なり犀川先生の思考がこんなに文章になってるとは思わなかった。当時の作者が考えていた、犀川を通して紡がれる哲学論理に共感する。自分の変化とは?現実とは?思考とは幻想なのか。展開に弄ばれた私の思考は作者の作為なのか…次巻検証せずにいられない。
合計20冊 読める冊数が増えている。。。
2017年8月の読了 人気のある本に突入
- 時限病棟 知念実希人
- スロウハイツの神様(上) (講談社文庫) 辻村深月
- スロウハイツの神様(下) (講談社文庫) 辻村深月
- ホテルジューシー (角川文庫) 坂木司
- 天帝妖狐 乙一
- か「」く「」し「」ご「」と「 住野よる
- 風と共にゆとりぬ 朝井リョウ
- 絵はすぐに上手くならない 成富ミオリ
- シンデレラ・ティース (光文社文庫) 坂木司
- 銀の匙 (新潮文庫) 中勘助
- 女子的生活 坂木司
- V.T.R. (講談社文庫) 辻村深月
- また、同じ夢を見ていた 住野よる
- サブマリン 伊坂幸太郎
時限病棟 知念実希人
本当に前作からの続編?と思うほどキャラが生きていて、脱出ゲームにのめり込み一気読み。黒幕が見えないのは当然として、当面犯人も見えない方がやはり楽しい。筋が読めたと思わせてから包み込んでくる他重奏に悶えるほど気持ち良さを味わえました。
スロウハイツの神様(上) (講談社文庫) 辻村深月
絶望を内在する希望の楽園。
映画ビーチを思い出した。
入居したい!
「彼ら」を選ばなかった自分はそう思う一方で、現実の自分が選択した目標って何?って重ねてた。
所々の見逃せない言葉を拾いながら、
私は成長の実感を漁ってきて今更飢えを感じてると腹落ち。
スロウハイツの神様(下) (講談社文庫) 辻村深月
読む行為を通して人の心は影響し合う。
渾身の力で描く物語は、彼らに、辻村深月に堪らなく執着してしまう。
数多の読書で創られてきた著者と今作。
その創作が自分に繋がる。
作中の繋がりは勿論、本作から伸びる全ての繋がりを想って歓喜に鼻の奥がつんとくる。
ホテルジューシー (角川文庫) 坂木司
沖縄夏バイトを通して、真直ぐの彼女が誰かのために何かをすることと自分のために誰かに関わることの違いに揺れる。夢の後処理や一人旅にも踏込み坂木司のパッカー論が垣間見える。就職控える学生がまさに読層だけれど、本書一冊では作者の思う働くは伝わり切らない。
天帝妖狐 乙一
トイレの落書きに現実が侵されていく、仮面舞踏会。妖狐の話は「面白い話をして」枕元で聞こえるような、希望と絶望が無い混ぜになったような。どちらも集中して一気に読んでしまう。あとを引かない、まさに枕元の話だからやっぱり面白いの一言に尽きる。今度は長編読みたいな。
か「」く「」し「」ご「」と「 住野よる
最近読んだ小説は聡明な高校生ばかりだったけど、この蒼さ、私にはストライク。相手の考えに戸惑ったり、自分の感情に悩んだり、遠くまで見透すことができなかった自分が心に浮かぶ。友達は…気軽につるめない年頃になったし、多分もう会わない人ばかりだけど懐かしいな。
風と共にゆとりぬ 朝井リョウ
朝井初読み。舐めてた。何この男!
5話目の段階で語り口が伝染し始める。
人生の輪郭が見え始めたと言いつつ柔らか部分多過ぎて俄然全部読みしたくなったな〜。「本は世界を見つめる視点を増やす」とか「全てを言葉にしたい」とか宣う。どんな小説ぶるのか楽しみ
絵はすぐに上手くならない 成富ミオリ
RTで気になった図書館本。
自分は形状ストックが少ないと実感。
ハッキリ描き過ぎて遠近問わず手前に出てたことも発見。
描くって存在を内に取り込むことなんだな。
ストックしたいものが山ほどあることに気付いた。
絵描きを構成する要素や心構えがわかる。
んで遠近で濃淡と明瞭を分けて描いてみた↓
シンデレラ・ティース (光文社文庫) 坂木司
「合わせる努力、沿う努力。ぴったりなんてできっこない」
伝えたいことを1ヶ月の歯科バイトでさらりと著した成長譚。歯に掛けて解く謎かけがニクい。もっと沢山のエピソードを書けるだろうし読みたいけど、それが坂木スタイルなんだろうな…夏に再読したい。
銀の匙 (新潮文庫) 中勘助
幼年の記憶を大人目線から回想して解釈することなく、視界が狭く不鮮明な子供の感覚まま美しい文章が彩る。漱石が推挙し、灘高が三年間授業で使った意味がよくわかる。110年前に自分が生きて既に他界したかのように、鮮やかな明治が映し出され自己投影に酔う。
女子的生活 坂木司
女子的という意味がストンとくる衝撃で幕開ける異色プロット。際物だと上下をつけたり真実の乱暴な側面だけ切り取って叩いてくるモラハラに対し堂々と前を向いて自己肯定する。「味が同じなら十分。別に『本物』なんて求めてないし」この台詞に込められた本意が心に刺さる。
V.T.R. (講談社文庫) 辻村深月
スロウハイツの劇中作で神様のデビュー作。赤羽環の解説まで含めた世界観に浸れる所に嬉しさがこみあげる。「すべては愛なんだよ」って言葉の裏にはこういう起源があったんだと腹に落ちた。夢中になれる感性で物を見たころの神様が出会えることが一番羨ましいんだと思う。
また、同じ夢を見ていた 住野よる
切なくて仕方ないのにすべては充たされる。自分のことを多重視点から見つめ直してしまう。読み返すとあちこちに暗示が溢れている。買って手元に置くことにして良かったなと素直に思える。今日も読書をして、まだまだ推敲と添削ができる幸せを噛みしめる。
サブマリン 伊坂幸太郎
群像劇以外は初めて。罪と罰がテーマのノンフィクションのようだった。自尊心から相手を屈服させようとする人が多過ぎるからかな。心が震えるようなフレーズはないかもしれないけど、陣内の深さが底知れず根拠レスな無敵ぶりは、読み手に何らか安心感を与えてくれる。
2017年7月の読了 夏らしい小説を探す
- ぼっちーズ 入間人間
- 塩の街 (角川文庫) 有川浩
- フルーツパーラーにはない果物 瀬那和章
- 凍りのくじら 辻村深月
- 魔女と思い出と赤い目をした女の子 サクラダリセット2 (角川文庫) 河野裕
- ラプラスの魔女 東野圭吾
- ソードアートオンライン17 川原礫
- ソードアートオンライン18 川原礫
- 夏と花火と私の死体 乙一
- カフーを待ちわびて 原田マハ
- 空の中 有川浩
- 仮面病棟 知念美希人
ぼっちーズ 入間人間
友達論を展開したかったひねくれた群像劇。最後に人物相関がわかれども、ちょっと複雑。持論がいちいち的を射ている。つるむ相手を選ぶ自由が与えられていて、群れることで安心する、大学生活の核心を絶妙に閉じ込めている。かといって後悔するほどでもなく、読後感は平静。
塩の街 (角川文庫) 有川浩
初めてツイでこの表現を使う
「ニヤニヤが止まらない」とはこのことか。
人目を憚らず、小説で笑う、呟く、唸る、まさに心を鷲掴む作品でした。
漫画?映画?気持ちいい娯楽に出会うと日々が楽しく見えるようになる。芯の強く甘い登場人物たちにならって良い発見が出来そう。
フルーツパーラーにはない果物 瀬那和章
キャラに劣等感を持つ女子たちは何かになりたいと強く願ったことがない。
雪には雪の〜は言葉の呪縛を受け容れたのに対し、劣等感含めた自分を受け容れて前を向く。
夢や渇望の残渣すらないけど、ほっとする話ばかり。
正しい達観なんだけど認めたくないなぁ
森山 :イチゴ
- 週末を楽しむために働いている
- 退屈な仕事だけど、残業は滅多にないし給料もそこそこ。これで不満を言えば罰が当たる p.187
桧野川:レモン
- なにかになりたいと強く願ったことはない。目の前に突きつけられた選択肢の中で自分が生きやすい方を選んできただけ。
- ちゃんと向いている場所にたどり着けた p.171
- キャラ受け入れるしかない。だとしてもみんなに必要とされるそういう自分で有り続けよう。
- 私が愛していたのは彼ではなかった。
彼が内側に秘めていた、私が持っていないものに惹かれたのだ。それは夢や情熱や狂おしいほどの渇望や、そこから生まれる自信や気高さだった。もし私が彼を選べは、彼の秘密は少しずつ損なわれてしまうだろう。そのたびに私は傷つき絶望する。やがて彼を愛することさえも出来なくなってしまう。- 私たちはみんな自分のことが嫌いで、いつだって誰かを羨んでいるくせに、人生をまるごと取り替えてあげようかと言われると、悩んだ末に断ってしまうくらい自分に執着している。P.332
P.332 これがベストフレーズかな。
凍りのくじら 辻村深月
半端な距離を保って人間観察をする理帆子は元彼が堕ちてゆく様を見たい。暴走した気持ちを深く理解する一方で極寒の覚めた見方。文章にする作者の源泉は何なのか。濁りのある現実感にのめり込み、興奮の果てにフラグの存在に気付く収束感。物語への飢えを掻き立てる。
魔女と思い出と赤い目をした女の子 サクラダリセット2 (角川文庫) 河野裕
写真に現身を記録する能力。自分の能力が及ばなかった仮定を視る能力。規則性の無い変数を組み合わせて、反則じみた重ね技の発想に辿り着く。作中に出るボブ・ロスの画法に近いロジックなのかな。石になっても好きでいられるか、次巻から本編な予感。
ラプラスの魔女 東野圭吾
凡人目線の読者としては、全てお見通しな超人たちのご都合主義で「あなたは知らなくていい」とお預け食うばかり。葛藤が薄いし種明かしがそれって…。動機と欠乏症がいまいち合わない。理性なの?感情なの?量産型SFもどきミステリーで好きになれない。
ソードアートオンライン17 川原礫
各国アカウントによる蹂躙を止めるため、自垢消失と痛覚軽減抜きで仲間達が駆けつける。歴代キャラ参戦。嬲り殺しの絶望感を最終前に持ってくるのキツいけど、全ての集大成を纏めようとしてて期待が高まる。本当の自分とは?どんな答を用意してくれるか。
ソードアート・オンライン (17) アリシゼーション・アウェイクニング (電撃文庫)
- 作者: 川原礫,abec
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2016/04/09
- メディア: 文庫
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ソードアートオンライン18 川原礫
VRの牢獄と時間の長さ・短さを巧みに使う。
「1秒の長さ」が惜しくなる展開。
気が遠くなり没入した。
記憶はなくなっても気持ちは消えない。VRに明け暮れた少年期は幕を下ろす。デスゲームからの苦悩に思いをはせてしまう。うまい区切りをしたので読後感良い。
ソードアート・オンライン (18) アリシゼーション・ラスティング (電撃文庫)
- 作者: 川原礫,abec
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2016/08/10
- メディア: 文庫
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夏と花火と私の死体 乙一
死体を隠す、それだけの話に、死者も読者にも疑問を挟ませることなく、迅速に処理を開始する。その強引さに微かな若さを感じるけれど、やはり張り詰めた糸に絡み取られる。本作だけで絶賛できるほど書評できない。この後どんなの書くんだ?とヒヤリとした。
カフーを待ちわびて 原田マハ
何も傷つけてこないやさしさ。安定した気持ちがいつまでも続く。そういう沖縄離島の雰囲気に最後まで抱かれる。豪業なメッセージを埋め込むことなく、全体のやさしさこそメッセージだろうか。マハさんの作品は、手紙、演説や台詞で毎回心を震わせてきます。
空の中 有川浩
戦闘機好き設定に陶酔気味な序盤。こんなに対話が占拠するとは想像しなかった。全き1つの白鯨に社会を照らし「間違ったら過ちを認める。相手も許す。折れ所を見つける」という至極当り前の処世術に対し、説教臭さは微塵も無い。ひと夏の成長を鮮やかに頭に描くことができました。
仮面病棟 知念美希人
読み易い、が精一杯のお世辞。それは個人の主観としても、学芸会夢オチなのかと思うほどの大根ぶり。不自然さで犯人や設定が読めるし、楽しむことも入り込むこともできず。最後も「おーい…」だったので、ブックオフ108円に5冊あったのを納得。読み易いけど…