2019年9月の読了 生き急ぎ

身体を酷使しました。羽田ブーメラン出張を繰り返し、台風に対応する。土日はランニングか白馬岳に登山。目いっぱい生き急いでる。

余談ですが、坂木司さん「おやつが好き」で紹介された”メルヘンのフルーツサンドで新幹線カフェ”は2020.1.9を実現されました。たいへん胃がもたれます。。。

魔弾の射手/知念実希人

不可視の弾丸…謎解きそっちのけで、3人のから騒ぎにハマる。自分がそこに飛び込んだみたいにハマる。緊迫感がある話もいいけど、こういうテンポもいいもんだ。愛車を愛し、徹夜を厭わず、恋バナも好き、そんなタフな医者たちの結束ができて…次話、そろそろ変換点かも。

カモフラージュ/松井玲奈

誰かの性癖に流されそれが滲み込んでしまった六編の短編たち。すらすらとフェチズムを展開する著者の根底に潜んでいるものはなんだろう。紡ぎ出される話と現実の彼女のギャップが妙にそそる。次は何をさらけだしてくれるのか。長編が出たら是非とも読ませてもらいたい。

the four GAFA/Scott Galloway

10年前位から急速に進み、今やGAFAに支配されてるはわかってる。わかってるよ部分は…長かった。appleとfacebookはどうかなと思うところはあるし、中国やインドの台頭もあれば、姿こそ違えど、世界の覇権争いは今も変わらないことに頷き。

おやつが好き/坂木司

陶酔する坂木さん。興奮する坂木さん。生クリーム原理主義の坂木さん。おやつに季語をあてる坂木さん。かわいいという以外にない。メルヘンのフルーツサンドで新幹線カフェを実現しよう！と、私もぐっと心に誓うのです。そして幸せな余韻をもたらす最後の短編がとても好き。

天地明察(上/沖方丁

豊穣たる秋。己への飽き。自己への幻滅。強烈な自己獲得への意思を込めた自分の名前。その由来がお気に入り。何かに夢中になるのがとても羨ましくて、舞台は江戸なのにそこは現代の様。「おぬし、もしや星の申し子か！」には呵呵と笑わせてもらえる。感動は幾つになっても。

天地明察(下/冲方丁

江戸の生き様と短い寿命が星々の煌めきのようだ。天に真剣勝負を挑み、先読みという概念を超えた布石を配置し、囲碁侍は持てる経験と数多の命を任される。情熱や努力だけでない強かな政治力、執念を通すがゆえの変貌ぶりに少し寂しさを感じた。遠い日の宮益坂が愛おしい。

超筋トレが最強のソリューションである/テストステロン

気付けば4年前から筋トレを毎週やってる。引き締まったボディラインは自信の源。3か月間という長い時間をかけて読んだけど、どこを開いても自信を再確認させてくれる。人生で今こそが最もベストだと感じ続けたいなら迷わず筋トレから。

ゼロハチゼロナナ/辻村深月

飲み会と交遊のある20代。過ぎ去った事は惜しく感じるが、確かに戻りたくはない。様々に切り取られたルポを通して、開き直るしかなくなる。私も傲慢な同類だ。女の生き方に横たわる格差の残酷さ、価値変動の激しさ。よくぞ書ききった黒歴史。やはり、目は背けたい。