2019年8月の読了 ランニングの夏
ランニングフォームの試行錯誤に明け暮れた2019年夏
充実してます
- 傲慢と善良/辻村深月
- 思い出が消えないうちに/川口俊和
- 舞面真面とお面の女/野崎まど
- 死なない生徒殺人事件/野崎まど
- パーフェクトフレンド/野崎まど
- 2/野崎まど
- 1週間でかけっこが速くなるトレーニング
- 夏野菜のひんやり料理/林幸子
- 宝くじで1億円当たった人の末路/鈴木信行
- 和菓子モダンスタイル/諸星みどり
- 走る奴なんて馬鹿だと思ってた/松久淳
- 夢にも思わない/宮部みゆき
傲慢と善良/辻村深月
なぜ彼らはそんな若い時から焦る事ができるのか?この世に自分の意思がある人間が果たしてどれだけいるのか?控え目なく容赦なく結婚をどこまでも抉る。他人に抱く感情、自分で決めた筈の意思…気付いても直視しないと決めたものを残酷に抉り出す。貴方の恋愛は傲慢か善良か
思い出が消えないうちに/川口俊和
死を扱う「泣ける」。過ぎると自分は感情にブレーキをかけて内に取り込めなくなるようだ。現実を変えることは出来ない。でも、誰かを悲しませない生き方は出来る。その誰かは心の中でも行き続けている。そういう4編。
舞面真面とお面の女/野崎まど
順番に読む下拵え2作目。退屈で死にそうなんだ。刺激をくれよ。面の下にあるニタリと笑う顔は何を見せてくれるんだい。どこに布石が転がって、どこに繋がるのか。ページが止まらない。そして、相変わらず、逸脱するプロットつくりに、心配りが行き届いている。
死なない生徒殺人事件/野崎まど
順番に読む下拵え3作目。プロットを振り返ると想像の範囲なのに、1ページとて飽きがない。頁に1回はあるニヤリとするフレーズ。その応酬がテンポを作ってるんだと感じる。風呂敷の畳み方に期待が膨らんでいく。
パーフェクトフレンド/野崎まど
「友達」を解き明かす。学校に価値を感じない天才少女は友達の必要性の証明に興味を持つ。二転三転四転…何回くるっくる裏返るのですか。世界の本当の見方を「待てよ?」と思わせる。2に集まるアムリタからの下拵えを読んだ貴方なら、何でもありって分かるはず。
2/野崎まど
創作とは、人の心を動かす為に作られ、鑑賞して気分が変わること。それは1番弱いLvの精神の変容。もう1段強く触れれば人の心を変容させ、別人にさせる。更に先へ先へ。不完全な神は世界を拡張しようとする。読後に思索し、気が付いたら何時間も経過したことに気付く。
何それ、怖い。
1週間でかけっこが速くなるトレーニング
体幹だとか肩甲骨だとか、意識意識の一辺倒じゃ分からないんです。こういう子供向けの本に書いてある方法が最も効果的なのでは?と思ったら予想通りだった。思えば走り方って誰にも教わらないから。
夏野菜のひんやり料理/林幸子
20年前の絶版本ですが秀逸でした。カレーラタトゥイユ、きゅうりのヨーグルトスープ、にんじんサラダ。どれも女子力高めに見えるおしゃれさです。今週作ろう♪♪
宝くじで1億円当たった人の末路/鈴木信行
勘違いしてた。宝くじ当選者実録ではなかった。タイトルを『末路』にしてくれ。宝くじ・友達がいない・教育費貧乏・田舎暮らし・留学ロンダリングの5点は、長く人生を生きてく上で一読の価値あり。今更同調圧力に屈しない境地だけど、それでも励みになる
和菓子モダンスタイル/諸星みどり
和菓子でアートして、季節ごとのマリアージュワインを推薦してるスタイリングの世界観が面白い。錦玉羹のバリエが素晴らしい。金木犀にはウットリ。道明寺とか大福はムズいけど注ぐものは失敗しないのが幸せ。
走る奴なんて馬鹿だと思ってた/松久淳
走る奴は皆自覚する。自分の日記を読み返す様に自分フィーバーになれる。東京を駆け抜ける独り遊びに興じる著者。馬鹿になってる人!皆同意する走る魅力に溢れる。伸び代の無さに黄昏た中年が成長を見出す、中毒性の高い習慣…それがランニング。よし走ろう
夢にも思わない/宮部みゆき
うっすらと感じる苦味。取り返しのつかない重み。普通のいじらしい中学生の日々がとても奥深く、青春も壁も憧れも蟠りも何もかも、この1冊に詰まっているなんて。人と人との交差が絶妙で、自分が中高生の頃に読んでたら何を思ったか。子が本棚に手を伸ばす日よ、こい