なだは、射程距離内に入ったぜ

40代になると人生の射程距離が見える。でも、今日も伸ばしてみせる。出しな、お前のキラークイーン。

2018年5月の読了 別人の文章

2カ月以上前の読了記録たちを今の自分が見るととても新鮮ですw

他人が書いたように感じるのは、特にこの2カ月で何かが変わってるんでしょう

明るい文章のツイートも多く、自分を見てみて光線も強く、それが月末の昇格無しで人が変わったようになっています

…って、まぁ。。。心の奥では物事に冷めてたんですね。

かがみの孤城 辻村深月

他者の本当の問題は簡単にわからない。不登校に留まらず、幾重もの目線で人の生きづらさを体感させられる。辻村作品にいつも感じる。彼らの繋がりと離れるのが本当に名残惜しい。彼らが仕組みに気付いてからのうねりと、幕が次々に開いていく様は誰しもの心に残るはず。

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「続ける」技術 石田淳

要点はおそろしく短く、ブログの記事で終わるほど。目的を明確化しトリガーを配置しブロックを排除する。そしてサポーターを配置しておくこと。行動科学というより、動物心理をプログラムしておくかのよう。あえて私の言葉を補うと、大事なのは、感情が湧く隙間を与えないこと。

 

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おらおらでひとりいぐも 若竹千佐子

独居老女が歌うように東北弁のリズムを刻み、あらゆる意味を付けようと夢遊する。先行きが短い前提での話運びや厭世観。やはり忌避する気持ちと魅了とが混ざって心が落ち着かない。「日々を重ねて初めて手に入れる感情」とは味わい尽くしてみたいものよ。

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青くて痛くて脆い 住野よる

会話の流れを分析する独り善がりは、その名詞で凍りつく。距離感を保つルールを曲げた果てに、互いに傷つけ叩き潰す暴力の応酬は圧巻すぎて、記憶に残りすぎる。自分の外に理由を探さず、もし見つけても暴力の目的を自問しないといけない。それが青くないということ。

神去なあなあ日常 三浦しをん

摩訶不思議な林業ワールド。文字通り、なあなあ日常としか言えない。読み終わって表紙を拡げて似顔絵ににっこりしてしまう。日記体で書かれたそれは、素朴で心の触感みたいなものが気持ちいい。村中のみんなで騒いでる賑やかさは理由もなく楽しいもの。

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ダヴィンチコード(上) ダン・ブラウン

巻紙を手繰るように、するすると止まらない展開。海外ものはアイドリングが長いことが多いのに、これは重厚な歴史を要所に散りばめて、のっけから飽きさせない。ただ、何年後かに筋を覚えているかというと自信が無い。

ダヴィンチコード(中) ダン・ブラウン

読者に対しキリスト教世界をレクチャーする中巻。宗教融合の考え方と聖杯伝説の謎。聖書は王家の子孫の物語であるって…。なんだか現実がゲームみたいに見えてくる。ラングドンとソフィーが逃げ延びるとわかっていてもドキドキは止められない。

ダヴィンチコード(下) ダン・ブラウン

黒幕を推察することも忘れ、ずぶずぶとのめり込む。下巻の没頭具合は上中とは別格だった。荒俣氏の解説通り、ヨーロッパの陰の歴史を味わう。聖書という原点を純真無垢な状態から立ち返る。日本人こそ楽しめるのでは。現代の宝探しに興奮冷めやらない。

 

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月の満ち欠け 佐藤正午

もしかしたら別の人間に生まれ変わること。それが死、なのかもしれない。月が満ちて欠けるように巡り合おうとする想いの話。私にはこの妄想みたいな現実は、無間地獄さながらで最後までずっとおそろしかった。執着するのは感情からなのか、格言と短歌に操られてはいないか

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上を向いてアルコール 小田嶋隆

文化的な営為が薄れ度数計算を始めたら奈落の入口。ほろ酔いは伸ばせない。辞めるとは決意や忍耐ではなく、人工的な計画行動として、過去を組替え生活プランを意識的に一から再構築すること。何かを一生我慢するなんてありえない。脱却者として厚く共感する。

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SHOE DOG PHIL KNIGHT

自伝は美化するもの。でもこれは性格悪さを自覚しての壮大な面白話になってる。追い込まれたasicsの下請販売店、後のNIKEが翔くまでの話。裁判でも交渉でもその過程には笑うまいと必死に耐えるナイト。自伝をこの形にする謙虚さこそ、かくありたし。

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BOOK BAR 大倉眞一郎・杏

歴代BOOK BAR大賞が載っている。読みたい本を15冊仕入れることができた。永い言い訳/西川美和、マイナスゼロ/広瀬正、ぼくと1ルピーの神様(スラムドック原作)が特に読みたい。

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ルビンの壺が割れた 宿野かほる

伏線?こういうのは伏線ではない。ましてや手品でもない。揮発性が高すぎて、読了後分刻みでどんどん中身を忘れていく。むしろそうしたいのか。それが私の本音だと思われる。

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東十条の女 小谷野敦

開いたら何が出るかなと借りてきたら、著者の女性遍歴を綴った私小説を含む短編だった。「東十条の女」では、42歳独身著者が婚活で出会う女性とオフパコな日々を過ごす描写に頭がくらくら。無駄に官能的で、子供の横でとんでもないものを読んでいるスリル。

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ディアスと月の誓約 乾石智子

これは欲望と知恵の物語。夜の写本師の世界との接点を追い求め久々の乾石世界。「赤金色の閃光が笑いと共にはじける。たちまち全身に星くずとなって広がる」みたいな描写はこの人しか書かない。時が巡る悠久さはこの作品からも感じられた。湯上りみたいな気持ち良さ

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どうか気持ちに潤いを。

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