なだは、射程距離内に入ったぜ

40代になると人生の射程距離が見える。でも、今日も伸ばしてみせる。出しな、お前のキラークイーン。

2017年8月の読了 人気のある本に突入

時限病棟 知念実希人

本当に前作からの続編?と思うほどキャラが生きていて、脱出ゲームにのめり込み一気読み。黒幕が見えないのは当然として、当面犯人も見えない方がやはり楽しい。筋が読めたと思わせてから包み込んでくる他重奏に悶えるほど気持ち良さを味わえました。

時限病棟 (実業之日本社文庫)

時限病棟 (実業之日本社文庫)

 

スロウハイツの神様(上) (講談社文庫) 辻村深月

絶望を内在する希望の楽園。

映画ビーチを思い出した。

入居したい!

「彼ら」を選ばなかった自分はそう思う一方で、現実の自分が選択した目標って何?って重ねてた。

所々の見逃せない言葉を拾いながら、

私は成長の実感を漁ってきて今更飢えを感じてると腹落ち。

スロウハイツの神様(下) (講談社文庫) 辻村深月

読む行為を通して人の心は影響し合う。

渾身の力で描く物語は、彼らに、辻村深月に堪らなく執着してしまう。

数多の読書で創られてきた著者と今作。

その創作が自分に繋がる。

作中の繋がりは勿論、本作から伸びる全ての繋がりを想って歓喜に鼻の奥がつんとくる。

 

[まとめ買い] スロウハイツの神様 (文庫版)

ホテルジューシー (角川文庫) 坂木司

沖縄夏バイトを通して、真直ぐの彼女が誰かのために何かをすることと自分のために誰かに関わることの違いに揺れる。夢の後処理や一人旅にも踏込み坂木司のパッカー論が垣間見える。就職控える学生がまさに読層だけれど、本書一冊では作者の思う働くは伝わり切らない。

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天帝妖狐 乙一

トイレの落書きに現実が侵されていく、仮面舞踏会。妖狐の話は「面白い話をして」枕元で聞こえるような、希望と絶望が無い混ぜになったような。どちらも集中して一気に読んでしまう。あとを引かない、まさに枕元の話だからやっぱり面白いの一言に尽きる。今度は長編読みたいな。

天帝妖狐 (集英社文庫)

天帝妖狐 (集英社文庫)

 

か「」く「」し「」ご「」と「 住野よる

最近読んだ小説は聡明な高校生ばかりだったけど、この蒼さ、私にはストライク。相手の考えに戸惑ったり、自分の感情に悩んだり、遠くまで見透すことができなかった自分が心に浮かぶ。友達は…気軽につるめない年頃になったし、多分もう会わない人ばかりだけど懐かしいな。

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風と共にゆとりぬ 朝井リョウ

朝井初読み。舐めてた。何この男!

5話目の段階で語り口が伝染し始める。

人生の輪郭が見え始めたと言いつつ柔らか部分多過ぎて俄然全部読みしたくなったな〜。「本は世界を見つめる視点を増やす」とか「全てを言葉にしたい」とか宣う。どんな小説ぶるのか楽しみ

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絵はすぐに上手くならない 成富ミオリ

 RTで気になった図書館本。

自分は形状ストックが少ないと実感。

ハッキリ描き過ぎて遠近問わず手前に出てたことも発見。

描くって存在を内に取り込むことなんだな。

ストックしたいものが山ほどあることに気付いた。

絵描きを構成する要素や心構えがわかる。

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んで遠近で濃淡と明瞭を分けて描いてみた↓

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シンデレラ・ティース (光文社文庫) 坂木司

「合わせる努力、沿う努力。ぴったりなんてできっこない」

伝えたいことを1ヶ月の歯科バイトでさらりと著した成長譚。歯に掛けて解く謎かけがニクい。もっと沢山のエピソードを書けるだろうし読みたいけど、それが坂木スタイルなんだろうな…夏に再読したい。

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銀の匙 (新潮文庫) 中勘助

幼年の記憶を大人目線から回想して解釈することなく、視界が狭く不鮮明な子供の感覚まま美しい文章が彩る。漱石が推挙し、灘高が三年間授業で使った意味がよくわかる。110年前に自分が生きて既に他界したかのように、鮮やかな明治が映し出され自己投影に酔う。

女子的生活 坂木司

女子的という意味がストンとくる衝撃で幕開ける異色プロット。際物だと上下をつけたり真実の乱暴な側面だけ切り取って叩いてくるモラハラに対し堂々と前を向いて自己肯定する。「味が同じなら十分。別に『本物』なんて求めてないし」この台詞に込められた本意が心に刺さる。f:id:marsaw:20180323185736p:plain

V.T.R. (講談社文庫) 辻村深月

スロウハイツの劇中作で神様のデビュー作。赤羽環の解説まで含めた世界観に浸れる所に嬉しさがこみあげる。「すべては愛なんだよ」って言葉の裏にはこういう起源があったんだと腹に落ちた。夢中になれる感性で物を見たころの神様が出会えることが一番羨ましいんだと思う。

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また、同じ夢を見ていた 住野よる

切なくて仕方ないのにすべては充たされる。自分のことを多重視点から見つめ直してしまう。読み返すとあちこちに暗示が溢れている。買って手元に置くことにして良かったなと素直に思える。今日も読書をして、まだまだ推敲と添削ができる幸せを噛みしめる。

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サブマリン 伊坂幸太郎

群像劇以外は初めて。罪と罰がテーマのノンフィクションのようだった。自尊心から相手を屈服させようとする人が多過ぎるからかな。心が震えるようなフレーズはないかもしれないけど、陣内の深さが底知れず根拠レスな無敵ぶりは、読み手に何らか安心感を与えてくれる。

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