なだは、射程距離内に入ったぜ

40代になると人生の射程距離が見える。でも、今日も伸ばしてみせる。出しな、お前のキラークイーン。

2016年6月の読了 「大切なこと」を探す本ばかり

ソードアートオンライン13 川原礫

VR空間で無類の強さを誇る英雄。「抜きん出ることの甘美さに深く魅了されていた。強さを誇示せずには自分というペルソナが保てなくなった」今まで目を背けていた本音が語られていて目が離れなかった。特別な何かを失くしたらどうなるのか?終わり見たい。

ソードアートオンライン14 川原礫

常に勝ち続けなければ全てを失う自己像のイメージ。特別な何かを失くしたら、弱さを肯定して繋げるだけ。諦めることに慣れてはいけない。中年になった社畜人生と重なってゾクゾクする。まさに今読むべきタイミング。この決戦は映像化したら繰り返し観る。

花魁さんと書道ガール 瀬那和章

恋愛という想いに内包された心を紐解く、恋愛相談ミステリー。春風さんに憑依され恋愛相談を受けるうち、自らの想いも書とともに成長する。楽しくて面白い。最終的に言葉が集まってくる構成も好き。瀬那さん2冊目、やはり文章が優しくて私と相性が良いみたい。

鹿の王上巻 上西菜穂子

魔法も亜人もない、医療、政治、宗教など現実感満載のお伽話。頁が壮大で進まないなと思ってたのに、上巻終ればあちこちのワンシーンが目に浮かぶ。読書中、私事の訃報もあり、身体と魂の主導権のくだりで眠れない日々を過ごした。下巻で絡み合う螺旋の行方が楽しみ

鹿の王下巻 上橋菜穂子

体の中で起きることを魂は知らない。もののけ姫のような舞台で感染症を扱い、共生という仕組を、人間関係から国、民族に到るまで幾重にも織り込んでいて宇宙に突き抜ける感覚。下巻は黒幕や各勢力の事情で読み手の立ち位置の補正が繰返す。その揺さぶりが気持ちよかった

  • 宗教観57自分たちが思いたいように思わせてくれる神が、都合の良すぎる方便であることを、彼らが認めることはないだろう
  • 271我が身の中で為され、そうやって生かされているのに私の魂はそれをいままで知ることがなかった
  • 500言い訳はいくらでも見つかる。理屈はいくらでもつけられる。医術のため後に人を救うためてあると思うことができれば。だが、そのときは、自分のとてつもない傲慢さから見をそむけているのではなかろうか。
鹿の王 上下巻セット

鹿の王 上下巻セット

 

アンと青春 坂木司

和菓子の魅力前面の前作から、働くこと、大切なこと、進むべき道という核に悩む。

 

誰しもの悩みに著者なりの優しい捉え方。

包むこと、違う常識、不平等など食べ物を交えるから素直に頷ける。

 

終盤、食品不安から甘酒の謎掛けに繋げて解説でほどける。粋過ぎて歓声を上げた。

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アンと青春

アンと青春

 

言葉の一つ一つが秀逸すぎます。。。

空の春告鳥
30 日本らしさは、包み込むこと。相手を尊重していいところはどんどん受け入れる。ただ真似するんじゃなくて自分たちなりのアレンジを加えて包む。それってすごく素直でのびやかな感覚。いいな、美味しいなって教えてあげたくて、文化って伝わるものでしょ?
女子の節句

59 パフェ、縁結び、パワスポ、和風雑貨、豆腐料理、和菓子。

つまり、京都は女子の都


84 私は接客を舐めてた。

愛想がいいのは知識や技術のなさを笑顔でカバー、フレンドリーは敬語が完璧じゃないから。嫌な客は笑顔でスルーして本気で相手の話を聞こうとしていなかった。その場限りだと思ってたから。バイトだから助けてもらえると甘えていた。クレーマーにも一部の理。理由は小さくとも個人的でも一度は伺うべき。

113 世の中にラインが一杯ある。

考えなさい、あなたはどうなりたい、どう生きたい、どういう場所に立ちたいの?

属している立場に悩む。でもみんな同じ。

プロは先を言ってるだけで私達か劣っているわけじゃない。

男だって弱いやつはいる。

男女でくくらないほうがいい。

世界が狭くなる。

人は平等じゃない。

そう思ったらどうでもいい。

比べる意味がない。

 

119 違う常識も認めるべきじゃない?

違うって切り捨てるんじゃなく。

だからきなこカフェオレ、黒糖ホットミルク飲もう


男子のセック

153 学校へ行けば資格は取れる、でも夢は教えてもらえない。何になりたいか何になれば喜ばれるかいまだにわからない。せめて誰かに喜ばれるものになりたい。でもどれにもなれていないからせめて目の前の仕事をきちんとやってお金を稼ごう。働くしかない。何かをしていると安心。でもごまかしなんでしょうね。働くのが好きなんじゃない。言い訳がほしいだけだ。

甘いお荷物

315 甘酒で元気を出してもらう栗はね、食べ進むと出てくるご褒美っていうか嬉しいもの。自分にとって大切な。それが核になってるんだ。進むべき道に悩んで。でも真ん中にはいつもそれがある。


317 敵情視察からの宣戦布告、みたいな。梅本さん、開けない夜はないぜよ。


318 私にはたぶんまだ核がない。簡単に揺らぐしいつまでたっても自信がない。いつか見つけたい。大切なもの、それがあれば大丈夫だと思えるもの、嬉しいもの。そうなればきっとまっすぐ歩いていける。それが見つかることを祈って私ピクリと栗を頬張る。うん。おいしい。

ソードアートオンライン15 川原礫

自我が吹き飛んでしまったキリト。負荷実験が始まるまでの静かな巻でした。現実での魂の奪い合いがVR空間に場を移す。現実の語り部がいないためか、VR空間のキャラにいまいち切迫感がない…。中年の心を揺さぶるものは残念ながらなかったです。しょぼん。

神酒クリニックで乾杯を 知念実希人

能力集団と医者を結びつけるカッ飛んだ設定が独特でクスクス笑いながら楽しく一気読み。知念さんの作品は脳内説明が最小限で会話に重きがある気がする。読みやすい文章だしキャラ作りも嫌味なく完成図面のように感じる。謎を引継ぐ適度さも計算してます

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神酒クリニックで乾杯を (角川文庫)

淡雪の記憶 知念美希人

そこまでのスリルは無いけど飽きないテンポ。2時間ドラマのシナリオのように視聴率を計算したエンタメだな〜と賞賛したい。スピード・美術狂の真美さんがあってこそ、ただの能力集団にならないヌケがありそこが愛すべき所だと思う。医療シーン少なすぎて、もはや探偵…

サクラダリセット1 河野裕

何かを救うため皆から3日間を奪う。感情を押し殺したかのようなキャラ達。無音で透き通った雰囲気で死すらも冷静に捉える。その限りない思いやりの根底をどのような言葉で紡いでいくのか今後楽しみ。思春期らしい「眠くなるための意味のない会話」も密かに期待。

猫と幽霊と日曜日の革命 サクラダリセット1 (角川文庫)

本日は、お日柄もよく 原田マハ

言葉で場を一変させる職業への好奇心から自らの可能性。十代で読んだらカブれてた。


言葉で人の心を動かすことはできる。

その後の約束はどう果たすんだ?

口先で扇動したことにならないか。この小説で書かれた史実を経て震災を乗り越え公私ともに言葉に裏切られたなと想い返す。心のあり方、有言実行の方が言葉よりも大事ではないかと。言葉で人を幸せにする。話したいことを話させる。そのくらい。今の仕事を通じて人を幸せにしたい。

本日は、お日柄もよく (徳間文庫)
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君の膵臓を食べたい 住野よる

この二人の面白さの拾い合い、相手への深い憧憬。突拍子もない標題の意味がしみ込み、対岸からも染まった時、標題が熱を帯びた振動になって胸の奥を震わせた。回想がぐるぐる去就してきた。そして訪れるこのすがすがしさ。予想出来なかった。何度でも読みたい。

君の膵臓をたべたい (双葉文庫)

君の膵臓をたべたい (双葉文庫)

 

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昨夜のカレー、明日のパン (河出文庫)

テツコの住む家を中心に、過去〜現在の周囲が短編で絡み合う。短編だと思ったら、真理を達観せず、こんなに前向きな死生観があろうとは。些細な日常への肯定感を与えてくれる。歳をとること、時が過ぎることに不安や焦燥を感じたら、迷わず本書を再読したい。

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