断酒したら読むべき本
このコンテンツは断酒した人を対象としています。
断酒会や主治医などに通う。断酒の基本らしい。これはアルコール依存症であるといつも確認させる意味合いがある。私なりにそう認識している。寛解も治癒もありえない。当事者意識のキープが何よりの抑止力なんだろう。
そう考えると別に読書でもよくない?事実、私は断酒会には行かない。時間もったいない。
読書の中の依存症は何度でも脳内再生できる。年に150冊も読んでいるといやでも出るわ出るわ。アル中DV夫。月に一回は読むのに胸がつっかえる。
今回はそんなあなたが出てくる小説たちを厳選。ベスト5。
第5位
青の炎
「青の炎」読了#読書好きと繋がりたい
— なだ (@marsaw_ocean) 2017年4月3日
一押しの方が多い本作にようやく😋
高校生の秀一が完全犯罪に挑み炎に焼かれていく。感情移入しすぎて犯行当日の朝から焦りが止まらず、犯行後は動悸で胸が苦しい。事実は死ぬまで離れない。悲しい切ないというより正気を保てない自分にとってはホラー小説 pic.twitter.com/XN0xJ95x9x
殺人を追体験するどころか、ウイスキーを毎夜パカパカ開けていく秀一。アル中ぶりも追体験できる。シアナマイドを飲ませるあたりも、依存症ホルダーならではの共感も得られる。犯行後の切迫感とか、殺人を依存症に全て置き換えても『まさに逃げられない』と納得させる。
第4位
夜の光
「夜の光 坂木司」読了。3日。5時間。家族という戦場から遠ざかりたかったかつての自分。戦場にしてしまっている今の自分が書かれていた。二つの視点が内在していて胸が痛いがずっと感じていないといけない。定期的に読み返したい一冊になった。
— なだ (@marsaw_ocean) 2017年2月1日
坂木司小説では珍しく陰鬱な家族が出てくる。作品全体は、高校生4人が抱える家族との関係をバックに、天文部の夜のごはんにほんわかするわけだが。家族という戦場って言葉の重み。家族の根底にタブーを作ったことをいつも忘れないように。
第3位
アルジャーノンに花束を
「アルジャーノンに花束を」読了#読書
— なだ (@marsaw_ocean) 2017年3月29日
チャーリィは他人の中の自分に納得できず他人の考えを変えさせたい。結果、見下して境界を引き、昔の自分も硝子の向こうに放置。高みに幸せを感じない彼が重なって切ない
最後の一行は心地よい解放感。彼は消えなかった。自我を確立して幸せを得た彼が眩しい pic.twitter.com/zqvEc9j51z
なぜこの名著をラインクインさせるのか、と思うだろう。
アルコールの力で別の自分になることと、アルコールを絶って元の自分に戻ることと重なるんだ。変わり果てた自分の姿を思い出せるだろう?チャーリィでないあなたなら思い出せるはず。
第2位
書くことについて
スティーブンキングが大好きで、大学の頃から読み漁ってきた。彼が生み出した作品の背景なんて知らずに。
泥酔して書き上げたシャイニング、トミーノッカーズ。あの時の狂いぶりに「こんな小説を書ける人はいないよ!」と思った衝撃は今も忘れていない。
依存症の中で創作し、それを克服した。私が崇めたスティーヴンキング。。。私は彼と同じことをしてから。。。そういう一連の事実を知るとは。因果なものだ。
第1位
だらしない夫じゃなくて依存症でした
すべての人に読んでほしいと切に願う。
ぜんぶ自分たちのことが克明に書いてある。笑っちゃうくらいにぜんぶ同じことがあった。ラストシーンは死ぬまで覚えていそう。
元に戻らないと開き直ってしまいそうになるとき、あのラストシーンがあれば生きてゆける。依存症たちには絶対に必要なラストシーン。自分で見てね。
逃げ場のない痛みに気分悪いでしょ?
くれぐれも逃げないように
この3冊も別の切り口では必読なんだけど、ご紹介はおいおい。
今夜、すべてのバーで中島らも
ゲコノミクス藤野英人
上を向いてアルコール