2019年10月の読了 台風
大変な出来事でしたね~
ホントーだ😅荒川の浮間あたりです。堤防の上しか走れない。そして人大杉。風強すぎ。 pic.twitter.com/wmxhqnMzqQ
— なだ@ほぼ読書垢 (@marsaw_ocean) 2019年10月13日
- 人生は、運よりも実力よりも勘違いさせる力で決まっている/ふろむだ
- 卵の緒/瀬尾まいこ
- 花魁さんと書道ガール2/瀬那和章
- 大人の週末起業/ 藤井孝一
- トリニティ/窪美澄
- 白い薔薇の淵まで/中山可穂
- くちぶえ番長/重松清
- ハーモニー/伊藤計劃
- アウトプット大全/樺沢紫苑
- 祝祭と予感/恩田陸
- 甘々と稲妻/雨隠ギド
- 君の名残を(下/浅倉卓弥
人生は、運よりも実力よりも勘違いさせる力で決まっている/ふろむだ
受験や成績を離れて〇十年もすれば実力なんて無意味だってわかる。経験してない人なんているかしら。若干思うのは、鏡ばかりでは物事は進まないよ、と。思い切りと、役柄への没頭感。誰かが自分を錯覚させて舞台に立たないと。
卵の緒/瀬尾まいこ
誰かと繋がる瞬間、そこにはかすかな幸せと切なさがある。記憶は薄れても、その時感じた感覚は根をおろす。恐れることなく生きていく勇気をもらえる一節。何の変哲もない家族ドラマなんかじゃない。結びつく時に起こる何か。恐るべき静謐な世界、確かに堪能しました。
花魁さんと書道ガール2/瀬那和章
夏の夕暮れは夜を拒むように長い。大学生の一日はやりたい事はをゆっくり考えられたことを思い出させる。書とは、想いを伝え想いを受け取る、沢山の訳の分からない感情の入れ物。それはつまり、人の心の寄る辺。文字の深淵。紡がれる言葉がたまらなく好きだ。
大人の週末起業/ 藤井孝一
読んでみて、よかった。
「自分の無形資産がどこにあるのか。提供する条件は週末と夜だけ。つまり、それを法人以外の顧客に提供するとしたら需要はあるのか。少額でもいいんだよ」
思いもしなかったけど、通名でもOKっていうのなら、面白いからトライしてみようか。
トリニティ/窪美澄
とことん女性目線で女3人の生き様をルポする。著者の作品は2作目になる。こぼれ落ちる、という形容がすぐに浮かぶ。どん底ではないにせよ、悲しいや切ないではない、ポロポロ落ちていく諦観のような想いを今回も味わった。その想いは出来るなら遠ざけておきたい。
白い薔薇の淵まで/中山可穂
自分と小説との境界線がわからなくなる。ラストを過ぎて、夢から目覚める思い。序盤の好奇、中盤の焦燥、終盤で待ち受ける強烈な引力。分かっていても焦がれる事をやめられない。こんな風に生きたら…何度でも入り込みたいと引き込むこの本の引力にも似ている。
くちぶえ番長/重松清
小学生の頃のドキドキ。悪いことや正しいことに心臓をバクバクさせて興奮させていたあの鼓動。引っ越していったあの子やこの子。記憶は無くなったりしない。思い出すことをしていないだけ。だっていつでも胸にあるんだもの。わが子からの推薦図書はとても温かいものだった。
ハーモニー/伊藤計劃
病床の著者が私達に突きつけた最期の作品。極限の幸福の行き着く先にある近未来。「自然が生み出した継ぎ継ぎの機能に過ぎない意識であることを…私が私であることを捨てたほうがいい」自分が死んだら意識はどうなるのか、思考まとめの小説のようで、暫く声にならなかった。
アウトプット大全/樺沢紫苑
樺沢さんの本を読むと自分のストイックさの照合をしている気分になる。数あるビジネス書のナレッジ大全なのだが、まとまり方がとても良い。毎度のことだけど、手書きの必要性に迷いがもたらされる。人の目線の動きを疎かにしていることに気付かされる。
かみさまは小学5年生/すみれ
人の評判とか予約数って不思議。何も無い。この子が健在だってことに一番びっくりした。
祝祭と予感/恩田陸
物語を支える六つの脚。パァッと光が降り注ぐような六編。生き先を決める瞬間にあって後に気付くことになる、我が胸にもあるあの時の兆しや精神の揺らぎを甦らせる。ボリュームに反して、手許に引き寄せて良かったと思える存在感。
甘々と稲妻/雨隠ギド
娘のいる全ての父たちに告ぐ。これは読まねばならぬ。この波状攻撃に何度も号泣せねばならぬ。僕らは順番に大人になっていって、それはあっという間で。幸せな切なさと、幕間にあった時の流れ。全部抱きしめておきたくなる最後の2巻です。今日のこの一瞬、大切にしよう。
君の名残を(上/浅倉卓弥
タイムスリップした先の自分が知っている人物だったら?その最期を知っていて、人はどう生きて何をよすがにするだろうか。我がことのように彼らを重ね、その役割を受け容れる。彼らの運命は歴史どおりに加速していく。下巻にノンストップ。
君の名残を(下/浅倉卓弥
解説を織り交ぜながら、終りを語りながら物語の行先を一心不乱に追いかけた。あのシーン、この対決、叫び声が耳に響き渡る。粟津の降りしきる雪が頭から離れない。そこで終わっても本望だった。惜しむらくは、時が声として人として顕在化してるところ。そこ違和感。