断酒してなにしてる?

39歳のクリスマスに断酒を誓いました。持て余した時間にこんなことしてるトゥルーマン・ショー

2019年3月の読了 玉石混合

雑多な選書をしてしまったなと振り返り。

瞬読 山中恵美子

これはすごい笑!効果広告が100頁!練習文字列が100頁!「1秒タイマーで読んでね」が2頁であと目次。本の構成を!為していない!飛ばし読み、拾い読みを右脳読み右脳読みと繰り返す。向き不向きの書物があります、と逃げを打つ。15分で練習まで全部終わりました。

1冊3分で読めて、99%忘れない読書術 瞬読

1冊3分で読めて、99%忘れない読書術 瞬読

 

盤上の向日葵 柚月裕子

何故だろうな。感情を抱かないように自分にブロックをかけているのか。違うな、虚のような感情を私は読み取れないのか。登場人物それぞれの心に陣取られた穴熊、角道から覗く闇がぼこぼこ空いている。とにかく読ませる。そして、切ないを通り越して力が入らなくなる。

盤上の向日葵

盤上の向日葵

 

七つの試練 IWGP14 石田衣良

トラブル解決はお金や安定には替えがたい俺の生業。当事者になり事件に近づく表題作が切断ショーの4巻「電子の星」を思い出させる。マコトがピンチに陥らなくなった点が時代の流れ。世の中は暴力が無くなった。楽しく一気読みできる本シリーズは安定の麻薬感がある。

七つの試練 池袋ウエストゲートパークXIV

七つの試練 池袋ウエストゲートパークXIV

 

ホワイトラビット 伊坂幸太郎

何が何だか笑。糸をこんがらせたら右に出るもの無し。久々の伊坂ワールドは今日も変わっていませんでした。軽快、爽快で、キャラの思慮があっけらかんとしている所も。読む人に細かいことを忘れさせて、頭をクリアにしてくれる。

ホワイトラビット

ホワイトラビット

 

宝島 真藤順丈

戦後沖縄の叙事詩。台詞と思考が最後まで埋め尽くす。そうして語り尽くすから情景は二の次。内容は濃い。熱い。起源やポリシーには距離を置きたい人なので、どこか感情移入できませんでした。

know 野崎まど

大興奮!この未来は是非創造したい。野崎まどは天才と言わしめる、確信は更に濃くなる。人造の脳補助装置「電子葉」の移植が義務化された世界。考え殺されるか考え死ぬか。想像力を超えた想像力は、誰も知らないあの領域に収束していく。全シーンが脳内に鮮やかに描き出される。

know (ハヤカワ文庫JA)

know (ハヤカワ文庫JA)

 

線一本からはじめる伝わる絵の描き方

小3のとき友達が通っていた水彩教室に付いて行ったら楽しかった。その足で母に「通いたい!」とねだった。その後6年間、油彩までやって展覧会の受賞もあった。あの時先生から教わった技法が全て載っている。先生が存命なのか知るのが嫌で確かめていない。

線一本からはじめる伝わる絵の描き方 ロジカルデッサンの技法

線一本からはじめる伝わる絵の描き方 ロジカルデッサンの技法

 

青空と逃げる 辻村深月

逃げるのに理屈は要らないけど、追いかけること、追い詰めることがなぜ必要なのだろう?あちこちに対話がないなとやきもきして、気付けば残り頁が迫りくる。もっと読みたかった。子供を加護するのと行動を認めるのと、揺れ動く母目線に男でも共感してしまう。

青空と逃げる (単行本)

青空と逃げる (単行本)

 

プラントハンター 西畠清順

兵庫の花卉卸問屋の五代目。職人になってから10年程度しか経ていないのに、面白い話が出るわ出るわ。開花調整や種継ぎなど実際には根気良い時間の方が多いはず。だからこそ珍品の輸出入をする時の宝探しに似た興奮がよく伝わる。という所は、どの仕事も一緒だなあと。

プラントハンター 命を懸けて花を追う (徳間文庫カレッジ)

プラントハンター 命を懸けて花を追う (徳間文庫カレッジ)

 

3X3EYES第2部 高田裕三

図書館で見かけて何十年かぶりの再会。第2部の3〜5巻は最高傑作。たった3冊なのに壮大で、少年の頃に味わった初めての切なさは今も色褪せることなく。89年刊行。今の世代が読んでも同じ想いが抱けますよ。

マギ1〜10巻 大高忍

どんなに手を伸ばしても…こいつとは別々の他人なんだ。同じになることはできないんだ。違うことを受け入れて、別々の場所でもそれぞれ自分の一生を精一杯全うしていれば。 ーー皆が王様にはなれないけど、皆が主役なんだよ。この漫画は主役だらけだよ。

ベルリンは晴れているか 深緑野分

何でもありの世界。自分にはどうにも出来ない世界。そこにある良心とはどんな形なのか。目視確認したくない、姿が見えない水面下の何か。もやもやする彼らの思惑を覆い尽くし感情の輪郭をぼやかしてしまうほど…その圧倒的な情景描写の熱気が凄まじい。

ベルリンは晴れているか (単行本)

ベルリンは晴れているか (単行本)

 

今夜は眠れない 宮部みゆき

綺麗に収まって隙間がない。伏線を置き読者が忘れた頃に繋げる王道のミステリー。家族のその後はさておき、読後のスッキリ加減が病みつきになるのも分かった。都度都度付記される、ぼくの自分ツッコミの数々が飽きさせない。

今夜は眠れない (角川文庫)

今夜は眠れない (角川文庫)

 

活版印刷日月堂 ほしおさなえ

胸が言葉で目一杯に満たされるのを4回も味わえる。 最後の一枚、失敗は許されない 素敵であり続けるにはちょっとずつ更新しなくちゃ 個性ってその人の世界への違和感から生まれるもの 弱さを見せてくれたことが、嬉しかった この四節だけで何度も追憶できる

オレたちバブル入行組 池井戸潤

貪るスピードは段違い。本が自分を引き釣りこんでくる感覚は珍しい。グイグイ引き込まれあっという間。感情を理性で制御しながら極寒の毒を吐く。相手のペースを混乱させる啖呵には頭が痺れる。こんな口上が切れる頭の回転の良さ、黒いユーモア。私も倍返ししよう

オレたち花のバブル組 (文春文庫)

オレたち花のバブル組 (文春文庫)

 

人生やらなくていいリスト 四角大輔

「やりたいことを忘れてしまうなんて自分自身を失ってしまうような恐怖だった」の一節が刺さる。やらなくていいリストに非ず、自分自身であり続けるためのリスト。無垢で否定出来ない正論が、貴方もプロデュースしてくれるはず。セカイに対して優しくなれる。

 

人生やらなくていいリスト (講談社+α文庫)

人生やらなくていいリスト (講談社+α文庫)

 

 

やりたいことを全部やる時間術 臼井由妃

目次はいい。内容が目次に負けてる。でも目次はいい。

やりたいことを全部やる! 時間術 (日経ビジネス人文庫)
 

ジヴェルニーの食卓 原田マハ

4人の画家たちを4人の女性達が捉えた日常の断片。作品やWikipediaから読み取れる巨匠の足跡に生活の彩色をほどこす。全部が本当のことだったと思えてしまうほど、神格化されたに等しい画家たちを、人間たらしめ命を吹き込んでいる。

ジヴェルニーの食卓 (集英社文庫)

ジヴェルニーの食卓 (集英社文庫)