断酒してなにしてる?

39歳のクリスマスに断酒を誓いました。持て余した時間にこんなことしてるトゥルーマン・ショー

2018年12月の読了 年季本

2018年読書つぶやき2年目は132冊でした。

12月は年季の入った積読を優先して読んでみました。

 

感想を吐き出して、それに反応してもらって、かれこれ2年もこのアカウントで自己肯定感を満足させてもらってます。いつも有難うございます。2019年はこれまでより絡んでいきたいと思いますので宜しくお願いします。

朝が来る 辻村深月

早く最後の頁まで進めてあげたい。生きる事が辛くなるような不安や不遇。本を閉じてしまわないのは、人の実なる考えと内心の二面性…その剥き出しの本性をどこまでも見たいからだ。これほどに自分の考えを自分が理解しながら、伝えられないその自己重要感。満たされただろうか

朝が来る (文春文庫)

朝が来る (文春文庫)

 

校閲ガール・トルネード 宮木あや子

憧れた仕事とやりたかった仕事は違う。10代の夢を前に、彼女は自分を理解する。それはさておき、この言葉が私に突き刺さって離れない。→「わからないことがあったら、まず自分で考えるか調べるかなさい。でも、考える時間がない時は人に聞きなさい」

校閲ガール トルネード (角川文庫)
 

記憶 西谷史

ペルソナに連なる、あの「女神転生」原作者の小説。ガダラの豚を彷彿とさせるアドベンチャーな展開。集合無意識や信長のルーツなどロマンあるトンデモを楽しみながら、なぜかカクカクしている女性の行動描写が物語を波立たせて進めていく。2時間の冒険映画のような痛快さ。

記憶 (角川ホラー文庫)

記憶 (角川ホラー文庫)

 

 

生還者 下村敦史

ふぅーーー。長い溜息とともにこの本の面白さを反芻する。冬山の吹雪の向こうにある真実は、登山を通して見えてくる。装備、痕跡、ルートには登山家の想いが残っている。冬山は困難と信頼を実感する場なのだなと。夏山との圧倒的な違いを感じて、山仲間を作ろうと渇望が湧く。

生還者 (講談社文庫)

生還者 (講談社文庫)

 

 

猿の見る夢 桐生夏生

59歳役員にして人でなしキング薄井。どうしようもないクズぶりなのに、どうして読むのが止まらないのかな。自分はこんな猿ではない。でも、彼の執着のいずれかに自分の類似点を見つけだして、捨て置けなくなる。クズが乗り移る様に、得体の知れない…自分へも執着が湧く。

猿の見る夢 (講談社文庫)

猿の見る夢 (講談社文庫)

 

 

こちらニッポン… 小松左京

 

目覚めると数十億人の人間が消失していた。ありえない状況に対処する消え残り達。そのときの想定を真剣に考え抜いたリアルな作品。…原発以外は。私は多分野山に引っ込み、時折本を図書館から調達するだろう。終わりは多分こうだろうと思った通りで、私なりには安心。

こちらニッポン… (ハルキ文庫)

こちらニッポン… (ハルキ文庫)

 

 

42歳からのルール

 

迷って手に取った一冊。この本の感想よりも、この本の感想を書いてる読メ垢たちのそれぞれの感想の方が興味深く共感させられた。それでも。。。「なぜ働くんだい?」「そりゃ働くのが楽しいからだよ」には胸を貫かれた。

あたりまえだけどなかなかできない 42歳からのルール (アスカビジネス)

あたりまえだけどなかなかできない 42歳からのルール (アスカビジネス)

 

 

ザ・スタンドⅡ Sキング

 

ウイルス荒廃後の米で人が再び集まり合う。やきもきする焦らし。見てきたの?という鮮やかな描写。あぁキングだなあ。そしてとにかく長い。並の小説5冊分との第2巻。ーーお互い同士がいなければ我々人間は寂しさのあまり気が狂う。相変わらずこの人の狂う描写大好き。

ザ・スタンド  2 (文春文庫)

ザ・スタンド 2 (文春文庫)

 

 ウズタマ 額賀澪

 

 

健全。感想文課題図書?。王道。粗を探したのにどうしたことか。あざとさがない。誰かと一緒にいることとの温かさを両手で抱え込みたくなる。王道に心ゆくまで浸りたいなら、まさにこれでしょう。読後感はさっぱり、塩ラーメン。12月に読むにはもってこいです。男同士好きだ。

ウズタマ

ウズタマ

 

 わたしを離さないで カズオ・イシグロ

 

長短の違いはあれど『人生がある』ことの絶望と希望が平穏に描かれている。とにかく誰もが核心に触れようとしない。感情をぶつけているようでいて実際には心はぶつかり合っていたのだろうか。今何かを考えている自分の存在を考えて2018年が終わる。良い年を

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)