2017年4月の読了 読書メーターに登録 相性本を節操なく読む
- 理系の子 ジュディ・ダットン
- 青の炎 貴志祐介
- クリムゾンの迷宮 貴志祐介
- 掟上今日子の備忘録 西尾維新
- 肉小説集 坂木司
- 太陽の塔 森見登美彦
- 黒い家 貴志祐介
- ソードアート・オンライン (12) アリシゼーション・ライジング 川原 礫
- 旅猫リポート 有川浩
- 楽園のカンヴァス 原田マハ
- 破門 黒川博行
- 終の住処 磯崎憲一郎
理系の子 ジュディ・ダットン
インテル国際科学フェアのノンフィクション。特許、奨学金を賭けた壮大な自由研究大会。生計を立てるため打算的な選択をせず「やりたいことをやる」の格好良さったら。でも彼らの後日談は決して完璧じゃない。やはり青春の煌きは儚く、読書で熱くなれる本書は夏に再読したい。
理系の子 高校生科学オリンピックの青春 (文春文庫 S 15-1)
- 作者: ジュディ・ダットン,横山啓明
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2014/10/10
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (4件) を見る
青の炎 貴志祐介
いち押しの方が多い本作にようやく。
高校生の秀一が完全犯罪に挑み炎に焼かれていく。感情移入しすぎて犯行当日の朝から焦りが止まらず、犯行後は動悸で胸が苦しい。事実は死ぬまで離れない。悲しい切ないというより正気を保てない自分にとってはホラー。。。
- 作者: 貴志祐介,角川書店装丁室
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2002/10/23
- メディア: 文庫
- 購入: 22人 クリック: 458回
- この商品を含むブログ (227件) を見る
クリムゾンの迷宮 貴志祐介
これは面白い!謎解きアドベンチャーにページが止まらない。エンタメとして何回も読みたくなる作品。読み終わって冷静になると強くてニューゲーム的で切迫感が足りずホラーとは言いにくい。心理戦の方が一層怖かったかも。でも大満足です。
- 作者: 貴志祐介
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 1999/04/09
- メディア: 文庫
- 購入: 31人 クリック: 726回
- この商品を含むブログ (138件) を見る
掟上今日子の備忘録 西尾維新
今日しかない今日子さん!ナイスな響き。テンポが最後まで上がらず不安になったけど長いプロローグを読んだ感じ。一風違う文体で癖があるけど忘却探偵の謎は気になる。しかし1日推理でどう話を繋ぐのか…プロットに興味津々
肉小説集 坂木司
イトルがねぇ…認めたくないけど今年のマイベストかも! リズムのような文字運びに笑いっぱなし。各世代の悩みを豚の部位になぞらえて救いある答えを用意している。義実家食文化に悩む話、部下に悩む部長の話など。人を拒絶せず受け容れる思いやりに溢れてます。
太陽の塔 森見登美彦
在学デビューとなったファンタジー大賞作。 文豪文体の絶え間ない一人称。悪ノリで書いたらエライことになったんだろうか。 有川浩のキケンが女性目線の男子の可愛さだとすれば、男性目線の男子がまさにコレ。失恋を認めない彼の憎めない愛らしさに繰り返し会いたくなる。
黒い家 貴志祐介
理由もなく人から恨まれる。身近にありえる恐怖で身に覚えあり。自分の身に起こったら?てのが怖いわけじゃない。自分を殺そうとする相手の息遣いを主人公も読み手も聞ける描写がキツい。訳がわからない犯人に自己投影するのって狂気に陥りそうで怖いよね。それだけにカタルシス最高。
ソードアート・オンライン (12) アリシゼーション・ライジング 川原 礫
自我の根源がテーマなんだろう。その結論が見たくて少しずつ読む。本巻ではタネ明かし「魂(記憶)に寿命がある」という部分が頭に残ってしまって色々考える。しかし…SAOってピンチ度合いが低い。必殺技でくぐり抜けるワンパターンはタルい。アメコミやジョジョのようであってほしい。
ソードアート・オンライン (12) アリシゼーション・ライジング (電撃文庫)
- 作者: 川原礫,abec
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2013/04/10
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (30件) を見る
旅猫リポート 有川浩
旅を通じて絆が深まるにつれて濃くなる喪失の予感。予想し易い流れに読了間際…失言癖を気に病むノリコがなりふり構わず「病室に連れてきていいか」と変わった瞬間が私のツボだった。皆が貰ったんだなぁと。電車内で唇の震えが止まらず、駅を出て泣いた。何度読んでも泣きそう。
楽園のカンヴァス 原田マハ
初めての原田マハ。
他にはない初めての種類の筆運び スゴいよ!この作者! 本の中に話、夢の中に夢、幾重にも連なる次元を旅をする感覚は、興奮に近い情熱を掻き立てる 著者は本当に美術が好きでその素晴しさを伝えるため、展開は綿密に考えたのだろう。丁寧です 。
破門 黒川博行
関西ヤクザセリフだらけの頁。なんだこれ?と一旦本を閉じかけた。とにかく台詞の応酬という異食?の小説。なのに終始続く掛け合いに口元が緩み始め、ダメ人間ぶりが面白くて仕方なくなる。一気に聴いてお正月娯楽映画みたいな爽快感。疫病神シリーズ、続編ももちろん読みたい。
終の住処 磯崎憲一郎
読書メーターの相性に基づいて手に取る。芥川賞なんだ。芥川賞って初めてだ。 芥川賞って芸術みたいだね(あまり良くない意味で) 時間の流れや積み重ねに関する感覚の危うさを表現したのだろうか。「この瞬間の永遠に比べれば過去など一瞬だ」との文言は良いかな。