2018年12月の読了 年季本
2018年読書つぶやき2年目は132冊でした。
12月は年季の入った積読を優先して読んでみました。
感想を吐き出して、それに反応してもらって、かれこれ2年もこのアカウントで自己肯定感を満足させてもらってます。いつも有難うございます。2019年はこれまでより絡んでいきたいと思いますので宜しくお願いします。
- 朝が来る 辻村深月
- 校閲ガール・トルネード 宮木あや子
- 記憶 西谷史
- 生還者 下村敦史
- 猿の見る夢 桐生夏生
- こちらニッポン… 小松左京
- 42歳からのルール
- ザ・スタンドⅡ Sキング
- ウズタマ 額賀澪
- わたしを離さないで カズオ・イシグロ
朝が来る 辻村深月
早く最後の頁まで進めてあげたい。生きる事が辛くなるような不安や不遇。本を閉じてしまわないのは、人の実なる考えと内心の二面性…その剥き出しの本性をどこまでも見たいからだ。これほどに自分の考えを自分が理解しながら、伝えられないその自己重要感。満たされただろうか
校閲ガール・トルネード 宮木あや子
憧れた仕事とやりたかった仕事は違う。10代の夢を前に、彼女は自分を理解する。それはさておき、この言葉が私に突き刺さって離れない。→「わからないことがあったら、まず自分で考えるか調べるかなさい。でも、考える時間がない時は人に聞きなさい」
記憶 西谷史
ペルソナに連なる、あの「女神転生」原作者の小説。ガダラの豚を彷彿とさせるアドベンチャーな展開。集合無意識や信長のルーツなどロマンあるトンデモを楽しみながら、なぜかカクカクしている女性の行動描写が物語を波立たせて進めていく。2時間の冒険映画のような痛快さ。
生還者 下村敦史
ふぅーーー。長い溜息とともにこの本の面白さを反芻する。冬山の吹雪の向こうにある真実は、登山を通して見えてくる。装備、痕跡、ルートには登山家の想いが残っている。冬山は困難と信頼を実感する場なのだなと。夏山との圧倒的な違いを感じて、山仲間を作ろうと渇望が湧く。
猿の見る夢 桐生夏生
59歳役員にして人でなしキング薄井。どうしようもないクズぶりなのに、どうして読むのが止まらないのかな。自分はこんな猿ではない。でも、彼の執着のいずれかに自分の類似点を見つけだして、捨て置けなくなる。クズが乗り移る様に、得体の知れない…自分へも執着が湧く。
こちらニッポン… 小松左京
目覚めると数十億人の人間が消失していた。ありえない状況に対処する消え残り達。そのときの想定を真剣に考え抜いたリアルな作品。…原発以外は。私は多分野山に引っ込み、時折本を図書館から調達するだろう。終わりは多分こうだろうと思った通りで、私なりには安心。
42歳からのルール
迷って手に取った一冊。この本の感想よりも、この本の感想を書いてる読メ垢たちのそれぞれの感想の方が興味深く共感させられた。それでも。。。「なぜ働くんだい?」「そりゃ働くのが楽しいからだよ」には胸を貫かれた。
あたりまえだけどなかなかできない 42歳からのルール (アスカビジネス)
- 作者: 田中和彦
- 出版社/メーカー: 明日香出版社
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ザ・スタンドⅡ Sキング
ウイルス荒廃後の米で人が再び集まり合う。やきもきする焦らし。見てきたの?という鮮やかな描写。あぁキングだなあ。そしてとにかく長い。並の小説5冊分との第2巻。ーーお互い同士がいなければ我々人間は寂しさのあまり気が狂う。相変わらずこの人の狂う描写大好き。
ウズタマ 額賀澪
健全。感想文課題図書?。王道。粗を探したのにどうしたことか。あざとさがない。誰かと一緒にいることとの温かさを両手で抱え込みたくなる。王道に心ゆくまで浸りたいなら、まさにこれでしょう。読後感はさっぱり、塩ラーメン。12月に読むにはもってこいです。男同士好きだ。
わたしを離さないで カズオ・イシグロ
長短の違いはあれど『人生がある』ことの絶望と希望が平穏に描かれている。とにかく誰もが核心に触れようとしない。感情をぶつけているようでいて実際には心はぶつかり合っていたのだろうか。今何かを考えている自分の存在を考えて2018年が終わる。良い年を
断酒による効果 2年で人は変わるのか?
私のブログは、山口達也、勝谷誠彦などアルコール依存報道が為されるたびに1日のページビューが数100件に跳ね上げる特徴があります。需要に応えて、2年経過した今回はアルコール依存についてまとめます。
アルコールに依存し、訪れた崩壊はどんな変遷を辿ったのか。習慣や意識を作り替えることは可能なのか? あなたが困難な生き方に挑んでいく励みになればと思います。
- アルコール依存になった理由
- 断酒1ヶ月目(2017.1)
- 断酒4ヶ月目(2017.4)
- 断酒半年~1年(2017.6~12)
- 断酒1年2か月(2018.2)
- 断酒1年4~10ヶ月(2018.4~10)
- 断酒2年(2018.12)
- まとめ
アルコール依存になった理由
酒を飲むようになったのは16歳のとき。
酔って気持ちが大きくなることで変身願望が満たされる魔法の薬でした。酒を飲んでも全く赤くならないし、ビール7杯くらいまでなら外面は素面のままという耐性がありましたので、とにかく飲みました。
- 酒量が明らかに増えたのは、営業の付き合いが1段階目。ビール6杯/回
- 震災後に仕事のやりきれなさを抱えながら、でも外では飲めなくて、自宅でハイボールを作り始めたのが2段階目。ウイスキー100mL/回
- 子供が受験で家で飲めず、出向して環境が変わって逃げ場を失い、自尊心を満足する場として1人居酒屋を始めたのが3段階目。焼酎200mL/回以上。。。
とにかく意識が無くなるまで飲む。1段階目でカバンごと紛失2回、寝過ごし数え切れず、2段階目で地べたで寝転がり、3段階目ではクリスマスをすっぽかしたうえに帰宅後に酒乱で暴れる。気付いたら家族は誰もいませんでした。それらの記憶があいまいな状態で断酒の日を迎えました。
断酒1ヶ月目(2017.1)
最初の1ヶ月は喪失感に苛まれます。
酒のことばかり考える。
テーマ=酒。それ以外に集中出来ないでしょう?
要約すると…
- 持て余した時間がある度に、酒にまつわる後悔を思い浮かべます。
- 自分の変化を後ろめたく感じます。他人の目と違う、と。
- 外出するだけで「酒を飲んでいるのでは?」と家族に信用されません。
2018年11月の読了 読み物があふれている
ラノベ強化月間でノーゲーム・ノーライフを読破しようともくろんだ月初。
研修の課題本が出された中旬。
図書館から予約本到着が殺到した下旬。
読むものがあふれていることは良いことです。
- ノーゲーム・ノーライフ1 榎宮祐
- 管理職の心得 大島洋
- ビジネスアカウンティング 山根節
- スレイヤーズ16 神坂一
- ノーゲーム・ノーライフ2 榎宮祐
- ノーゲーム・ノーライフ3 榎宮祐
- 人を動かす Dカーネギー
- 貯金生活宣言 横山光昭
- 破滅の王 上田早夕里
- じっと手を見る 窪美澄
- 奇跡のメモ術 池田義博
- 傍流の記者 本城雅人
- お互い40代婚 たかぎなおこ
ノーゲーム・ノーライフ1 榎宮祐
原作も「かます」所は最高!最弱の人類は、二人でひとつの空白兄妹に魅了される。チートな最強じゃない。臆病故の知恵、揚げ足取り、駆け引きにわくわくして仕方ない。自分を確信し、他人に操られない…その万能感は、この歳でも厨二同様に興奮するのです。
ノーゲーム・ノーライフ 1 ゲーマー兄妹がファンタジー世界を征服するそうです (MF文庫J)
- 作者: 榎宮祐
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
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管理職の心得 大島洋
ポジションパワーに意味が無くなりつつある時代に管理職の存在意義は何だろう?現場レベルの方向性をまとめ、上下の動機づけを合わせることか。自分のリーダーシップを見直す樹形図然とした良書。この本が指し示す立体的な視点のメンテは絶えず必要。つまり買わないとダメね
ビジネスアカウンティング 山根節
BSとPLから業績を読む…そんなに不安になる懸念は不要で、もう分かることばかりだった。日産のリバイバルプラン、東芝の不正会計、裏に蠢いていた硬直化、リーダー暴走と諦観の事例が目に付いた。上を諌めるか下の支援するか…ビジョンははっきりしてきた。
スレイヤーズ16 神坂一
最終話から18年も経っていたのか!?つい先日のように全然忘れてない。高一の頃に友達がドサッと貸してくれたのがラノベとの出会い。始まりのラノベとの同窓会の雰囲気で満たされることができた。神坂さんの変わらなさ!軽快さは何も衰えることなく全然連載再開できますよ?
ノーゲーム・ノーライフ2 榎宮祐
2戦目は天翼種ジブリールとの具現化しりとり。前提条件の言外に潜んでいる何かをつかまえる。相手の思考ではなく感情をつかまえる。そして、勝負は始まる前の段階で決していると言わしめる絶対の信頼。確かにこういう胸熱が、たまんねぇんだよね。
ノーゲーム・ノーライフ2ゲーマー兄妹が獣耳っ子の国に目をつけたようです (MF文庫J)
- 作者: 榎宮祐
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
- 発売日: 2012/09/20
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ノーゲーム・ノーライフ3 榎宮祐
落っこちてる言葉は、今の自分に他ならない。 ーー負けて悔しかった。だからこそ楽しかった。全身全霊を、死力を賭してなお勝てない相手がいる気分はどうだ?そんな絶望的な相手をいかに下して、いかに勝って、どうやって負かすか。控えめに言って、最高じゃね?
ノーゲーム・ノーライフ 3 ゲーマー兄妹の片割れが消えたようですが……? (MF文庫J)
- 作者: 榎宮祐
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人を動かす Dカーネギー
人間の持つ最も根強い衝動は重要人物たらんとする欲求である。自分の物語では絶対に自分が主役なんだ。他人が物語を書き換えることも、脇役にする事も許容できる人はいない。太古の昔からの不動の原則。特別な何かに敗れる前に、挫折する前に、我が子に読んでもらいたい
貯金生活宣言 横山光昭
hontoで無料だったのでDL。独身の頃は貯める目標がなくて刹那的に毎日1万円使ってた。でも、あれは必要な経験だったから後悔はない。現在は貯金力のある習慣がついたものの、目標目的があるかないかがこの常識の根幹だと思う。
破滅の王 上田早夕里
731部隊絡みの細菌兵器を巡る、科学者と軍人による爽やかな活劇。頁が止まらない面白さがある。なのに読み終わった後の凪。むしろ清々しすぎて本望。心の深淵を覗きこむことよりも、史実より史実らしい動きを追いかける。後者に夢中になるのも悪いもんじゃない。
じっと手を見る 窪美澄
よるべない夜につきまとう不安。気持ちの温度が下がっていく不安。年齢の経過とともに形を変えていく不安の形から、それでも私は目を背けない。皆、柔らかく温度のある膜のむこうにある熱に近付こうとする。生きていくってこうだなと気持ちがおとなしくなる。
奇跡のメモ術 池田義博
見たことあるテクの寄せ集め…では無い。数多の手法を簡単に、漏れなくまとめる。まとめ方の頭の良さを感じる。メモに瞬間のイメージを託すこと、それはもう出来ている。メモによって律すること、それも出来ている。思考の行先を捕まえること、それを今はやっている。
傍流の記者 本城雅人
己の力量を競い、立場に変化を求められる。出世を競い部下の資質を見極める。部下を信じるようで都合の良い事だけ信じた痛恨。気が付けば組織に手が届く。会社は一時の連なりにすぎない狭い世界。酸いや甘い、気概の全てを込めて…これは組織人の指南書か。入れ込み半端ない
お互い40代婚 たかぎなおこ
めっちゃ面白かったよ。1人の女性の人生史が続いていくんだから、描き続ける限りこちらも読み続けます。新婚の頃を思い出して気持ちも晴れました。二人暮しも楽しかったなぁ。