なだは、射程距離内に入ったぜ

40代になると人生の射程距離が見える。でも、今日も伸ばしてみせる。出しな、お前のキラークイーン。

DIYする重厚な本棚

制作理念

我が家では30cm以上の物体を買うためには家族会議が必要だ

結婚して〇〇年

不要なサイドボードや、エレクター家具や、トレーニング機器や長い支柱など、エイヤッと大きなものを買っては、最終的に粗大ごみに高い金を払うかディスクグラインダーで切り刻む歴史を刻んできた

だから本棚に求められる条件は

  1. 分解可能であること <柔軟性>
  2. 分解後のパーツは30cm以内か、転用できること <環境性>
  3. 市販品クラスの耐震性があること <安全性>

事業理念みたいだな。。。

 

前置きが長くなった

つまり本棚に求められるのはディアウォールということだ。

今回は2016年に作成したエコ仕様のリビングボード(木材と木ねじのみ)↓に続く、本棚の増設をまとめる。

f:id:marsaw:20180513093336j:plain

突っ張りのコスト比較

ディアウォール系DIYのコストを左右するのは、天井金具の種類!

これに尽きる!というかこの材料以外はこだわるものがない。

有名どころの3点を比較すると、八幡ねじのアジャスターがコスト一番。

数年前は八幡ねじ以外は¥1,000だったけど、競争原理によるものか。。。現在はどれを選んでも変わらない状況になっているようだ

  • 若井産業ディアウォール ¥800 上下1セット 但し、賃貸入替期は¥1,200
  • 和気産業突っ張りジャッキ ¥871 ¥1,742 1箇所
  • 平安伸銅工業ラブリコ ¥880 1個入り
  • 八幡ねじアジャスター ¥570{¥255+フェルト¥315(2個入り¥630)}
平安伸銅工業 LABRICO  DIY収納パーツ 2×4アジャスター オフホワイト DXO-1

平安伸銅工業 LABRICO DIY収納パーツ 2×4アジャスター オフホワイト DXO-1

 
WAKI Walist突っぱりジャッキ 黒 WAT-001 クロ

WAKI Walist突っぱりジャッキ 黒 WAT-001 クロ

 
八幡ねじ 位置調整金具 アジャスター 25mm 2×4材用 1個
 
八幡ねじ フェルト付アジャスター M620パイBE 2個入り
 

設計図のコスト比較

小説の単行本がちょうど収まるサイズを模索し、埋まった場合の重量、板の張力などを考慮した結果、次のような設計図面となる

  • 壁までびっちり埋まらない2x4コスパ
  • 見た目にこだわった2x6版

【図面】

f:id:marsaw:20180513233240p:plain

【コスト合計】

内訳をご覧になる前に、絶対に電動ドライバーを買って!

手でやると間違いなく心が折れる

楽しくなくなる

そもそもSPFに木ねじ38mmというのはかなりの力を必要とする

シマホに行けば、コード式のが1980円だけどビットが別売り。。。 

 

f:id:marsaw:20180514001321p:plain

倍半分違ってくるので、横からの見た目さえ気にしなければ2x4版を推奨する

そのほか注意点。

  • 木材は反ってるものが多数ある。せめて2400mmの2本はまっすぐなのを確認すること。横板の水平すらもとれなくなるので。
  • 木材3,000mmは実際には3,030mmくらいあるので、カットの際は巻き尺を持って行って1515mm位を指定するか「ちょうど半分にして」をお願いするか。くみ上げるときに長さがちぐはぐになるから
  • ちなみに、地味に注意なのが「木ねじ」。4.1φだと頭が埋まらない。3.8φです。ホムセンで売ってない場合があるのでリンクを残しておく

 

制作フロー

塗装

和信の油性ニスはカラバリが多く、ニスというより塗料

SPFが別の木材に化ける

今回はチークを選択

冒頭の写真はウォールナットなので参考にどうぞ

なお、全面を綺麗に塗るニスは勿体ない

図面で「太線にしている面」を2度塗りすれば、あとは人目に触れないのでお勧め

f:id:marsaw:20180513093326j:plain

 

アジャスターの取り付け

f:id:marsaw:20180513093244j:plain

 

L字金具の取り付け

定規で25cmごとに横線を引いて

f:id:marsaw:20180513093329j:plain

ガムテか養生テープで金具を固定してからねじを打ち込むとよい

(下の写真のねじは4.1φ。。。浮くでしょ?)

f:id:marsaw:20180513093305j:plain

 

f:id:marsaw:20180513093308j:plain

組み立て

よいしょっと持ち上げて、最下段だけはL字金具を逆向きに取り付ける

横板を金具のうえに載せて、念のため、水平を確認したら下から左右一か所だけねじを打ち込む。地震が来た時に棚が落ちないようにするためですな。

f:id:marsaw:20180513093307j:plain

 

なお、L字金具は全部打ち込んでからにしてくださーい

↓このように、打ちながらやると水平がとれなくなるからです(失敗した)

f:id:marsaw:20180513093316j:plain

 

仕上げチェック

以上バラしやすい本棚

かがみの孤城がジャストサイズです!

 

大学生の一人暮らし、単身赴任のおともに最適!

この記事を見て作るような人がいたら、これほどうれしいことはない!

本当に作成したらぜひぜひ写真を送ってください!

 

f:id:marsaw:20180513093228j:plain

 

 

2018年4月の読了 熱い40代の小説たち

今月もこんにちは

振り返ると40代の主人公たちが多いレパートリーです

図書館本は少なく、自分の本棚から積読解消です

 

圧倒的に心に残ったのは「暴力の人類史」

タイトルから本を遠ざけてしまうかもしれませんが

自分の衝動の根源を突き付ける…私にとっては物事にやさしくなれる本です

上巻は借りたものの下巻は買おうと思ってモジモジしてます

 

 

草原の椅子(上) 宮本輝

40代、生きるとは何?と思ったら読むべき本。そう聞いて手に入れた。ゆったりと流れる独特の日常描写が全然飽きない。この世代以降から現実視する厭世観を克明に捉えていて、頷くばかり。このまま済し崩し的に生きていいのか?充分生きたと思える修羅場を味わったか?

草原の椅子(下) 宮本輝

取引先の社長と営業部長。親友の契りを結んだ50男2人が大人たらんと生きる。著者の持論や理想の大人像が箴言とともに書かれていて、新聞連載らしく展開をぶん投げるけれど、反発も飽きも来ない。むしろ愛着が湧く。ラフマニノフ聴きながら読みたい、染み込むような物語。

f:id:marsaw:20180510003424p:plain

行かずに死ねるか! 石田ゆうすけ

95〜01年の世界一周旅行記。断片化した7年が文庫に収まる。旅の目的は平穏な運命に逆らうこと。とりわけ、ナイロビから喜望峰まで行きづりチャリ団4人で4000kmを走る眩しい若い馬鹿さが奇跡的。でもね。どう生きても後悔の大小なんてないと思うの。

f:id:marsaw:20180510003524p:plain

神々の山嶺(上) 夢枕獏

エベレスト初登頂者の歴史が1台のカメラで覆るかもしれない。ミステリーを孕みながら羽生の乱生を辿る。夢を捨て切れないのか、自己顕示が理由なのか自分も分からなくなる。この迫り来る恐ろしさはサスペンスでは味わえない。山嶺という迫力がのしかかってくる。

神々の山嶺(下) 夢枕獏

エベレスト単独に同行してる錯覚。匂いや音までも感じられる文章が心を捉えてやまない。生きていくことと山を登ることの目的がダブる。自分に照らして辿り着く一文「とにかく俺にとっては最初だってこと」。射程距離なんて無いんだな。迷いをほどいてくれた渾身の作品!

f:id:marsaw:20180510003633p:plain

f:id:marsaw:20180510004104p:plain

 

ふたご 藤崎彩織

自伝をモチーフにした、セカオワらしからぬ静寂と無音が漂う文字運び。色が、どうしても感じられない。共依存?…いや、自己肯定を求めて止まない自分のことを告白する、彼へ宛てた本かもしれない。もしそうなら、ファン心理を満たす後半は本当に彼女が書きたかったものかな。

f:id:marsaw:20180510003716p:plain

火定 澤田瞳子

我が身の為だけに用いれば人の命ほど儚くむなしいものはない。自分のやりたいことをやって幸せという納得したはずの割り切りが、中世の死生観に揺らがされ胸が熱くなる。人に影響を与えることを柱に。我が身の振り方に自省する。ヒーローではなく火定入滅という流れが清々しい。

f:id:marsaw:20180510003808p:plain

超一流の雑談力/安田正

「一文は短く。リズミカルに。音程はファかソ」。吸収できた頷き箇所はこんなとこかな。後半は具体性が失われていく。「苦手な人とは?」→「向き合うこと」とかギャグ。

それよりも。この義母からの品。高松の栗林公園の入場券が挟まれていて、ミステリーのような思い。

f:id:marsaw:20180510003902p:plain

氷菓 米澤穂信

沢山のブラインド空間が、一瞬の閃きで種が明かされる。映画にもアニメにもなったけど小説からこんにちは。ユルい雰囲気と、この年代がのめり込む謎が何ということはなくて(むしろ大人目線では無興味)、ああ、それが学生時代だったなと、こういう形の構成が斬新に感じた。

f:id:marsaw:20180510004003p:plain

人間は9タイプ 坪田信貴

人間カタログ。良くわかるほどに納得出来る。統率者だった私。「短期的な企画を先導するのは得意。でも長期的権力を握ると人が離れていく」…そして統率者だけ「邪悪サイド」という注意コラムがあって、思い当たるだけにゲンナリ。読むと凹む。でも天狗になる時の薬。

f:id:marsaw:20180510004150p:plain

彼方の友へ 伊吹有喜

躍動する雑誌作りに随所で緩む口元。エンドロールたる出典を見つめて友への想いで胸いっぱいになる。丁寧に丁寧に、波津子がそうしたように、取材を重ねて想像し現代に最上を届けようとした著者。実在の「少女の友」のリレーは時をかける。実業之日本社120周年を飾る最上。

f:id:marsaw:20180510004238p:plain

暴力の人類史(上) スティーブン・ピンカー

それは「暴力」というより「他者への働きかけ方」の変遷。かつてありえないほどに暴力は減少している。略奪、防衛、報復。あらゆる暴力の源泉と科学論証を突きつけられ、今ある自分の働きかけ方を省みる。環境1つで全て裏返る不安を感じつつ、これからの人間性の向かう先は?下巻へ

f:id:marsaw:20180510004323p:plain

インフルエンス 近藤史恵

近藤さんはこういう…やってしまったことを認識する冷静さや、長年じっくりと自分を見つめるような主人公の感性を、負の方向のストーリーに持っていくと、行き着く先が気になりすぎて目が離せなくなる。何が出るか怖いけど、卒アルを開いて検索したくなる。f:id:marsaw:20180510004425p:plain

元アル中と名乗るのはどうなのよ?

先月末から本屋に並び始めたこの本。

すっごい気になって目次見たらね。

これは買うべき!と思ったけど

1点気に入らなくて買ってない

上を向いてアルコール 「元アル中」コラムニストの告白

上を向いてアルコール 「元アル中」コラムニストの告白

 

 だってさ

元アル中って変じゃない?

お前向こう側に戻って清算したとか?

何言っちゃってんの?

往生際悪くない?

どうせ1杯でも飲めば止まらないだろ?

 

元アル中なんて私は絶対名乗らない。

今がどんな状態にあろうと

「元」なんてありえない。

 

酒飲みの街、赤羽の本屋で壁一面に飾られてたのには素敵すぎるけど……笑

 

実は非公開にしてたけどね。

下のが初めての読了ツイなんです。

 

Written on JAN 10th 2017

通院先の院長から「読め~」と義務付けられてました

2016年の大みそかに読了

アルコール依存症は治らない ≪治らない≫の意味

アルコール依存症は治らない ≪治らない≫の意味

 

 「なだいなだ」・・・男?女?そんなレベルでしか知らなかった

この本の形式は

ソーシャルワーカーとの対談
ソーシャルワーカーの依存告白(といっても具体的なことには触れない)
③なだいなださんの考え方

 

この本のフローが不思議
おすすめした院長もちょっと不思議
ひと月くらいして③→①→②で読んでみないとわからんかも
とにかく「治らない」≒一生の付き合いを始める、その覚悟に臆しました

 

少なくとも、心療内科や依存、ソーシャルワーカーなど、今までの自分は
まったく関係なかった場所を垣間見ることができた最初の一冊

 

もう誰トク?なグダグダ記事になりました

 

とりあえず明日は初めてソーシャルワーカーさんに会いに行きます

上司に「明日なんで午前休?自分の体調?」聞かれて

「あらためて話します」と答え

正直、どう話せばいいのかなと云う方が気がかり 

 

今日で断酒16日目 

 

2018年3月の読了 苦悩してたのかも?

3月の読了を振り返ると

「苦悩してなのか?」

というくらい。

痛快な小説が欲しいわね!

ときどき旅に出るカフェ 近藤史恵

後戻り出来ない?まだ間に合う年頃?の瑛子が見つけた”無くてはならない”多国籍カフェ。現実にこんなカフェが近所にないかなと既に探してる。作中に漂うこの居心地の良さがあるならば、どんなに続編が続いても未知との出会いに憧れて読んじゃうだろう。 

f:id:marsaw:20180331142429p:plain

いい空気を一瞬でつくる 誰とでも会話がはずむ42の法則 秀島史香

grooveline時代から史香が好き!タイトルが啓発本に見えるけど、ラジオDJの体験小話です。初めこそ笑顔、目線…で始まったけど、集団の会話に乗っかるために彼女なりに気をつけるてことを中盤からメモりまくり。雰囲気を作るとは彼女らしい。

  • 事実はひとつ。解釈は自由。心地いい解釈を。
  • 会話の糸口は「相手の身に着けているもの」。相手をみることにも通じる。

この言葉は手帳の裏表紙に書かせてもらってます!

マラソンは毎日走っても完走できない 小出義男

距離を延ばす事に徹して成行で走ってきた。練習の練習ではなく、マラソンの練習とは「脚を作ること」。監督は俺様理論は振りかさず、選手の褒め言葉で説得力を持たせ、読者の潜在能力を本人よりも信じている。人柄が伝わり元気になれる。靴代替り

 

考え方 稲盛和夫

世の中に名を残したい、世に評価されるような何かを成し遂げたい、それこそ人生の一大事だと思うなら方向性が一致した人達なんだろう。家族の自己犠牲は間違ってないし、仕事を家族に懇懇と聞かせ一体感をもたせたから問題なかったという文章にドン引き。仕事なきゃ空っぽだよ。

f:id:marsaw:20180331142746p:plain

先生と僕 (双葉文庫) 坂木司

年配の先生と少年かと想像してたら、少年先生と大学生という想定外のキャスト!そして、古典ミステリにインスパイアされた日常謎解きという予想通りのほっこり。2人の休日の過ごし方が私を癒してくれる。何も考えずに流れに身を任せて安心出来る、という本も稀有だ。

僕と先生 (双葉文庫) 坂木司

定期的に坂木ワールドに浸ると心がニュートラルに戻る。手を伸ばし続けたい、人を信じたいという著者の根底は不変。「名探偵はとにかく喋る。無言の欲求はコミュニケーションの手抜きだ」「でも1度で切り捨ててしまうのは受け手の手抜きだ」そんな自然な言葉が胸に染み渡る。

うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち 田中圭一

認知の歪み、支えの喪失などから鬱になった著名人含む15人の体験漫画。多分そうだと思っててこの本を読みたかった。程度の差こそあれ、3年前の自分が作者と同じプロセスで被害妄想を持っておかしくなったあれは鬱だったんだろう。寝込んで休まない鬱もあると初めて知った。

最終便に間に合えば 林真理子

33年前の直木賞受賞作。女の言動の内側にある妬みと嫉妬をさらけ出し、駆け引きという背伸びをして何か憂さ晴らししたい見栄っ張りな女が次々に出てくる。その実態は、当時31の著者の年齢で想像する「恋愛」をしたいという憧れが具現したものかもしれない。

新装版 最終便に間に合えば (文春文庫)

新装版 最終便に間に合えば (文春文庫)

 

ライフハック大全―――人生と仕事を変える小さな習慣250 堀正岳

text expander。毎週金曜に音楽を買って新鮮な世界を呼び込む。scansnap。lynda講座。この辺が初耳だった。読んでメモって調べて。しっかり吸収させてもらった。良い本はインスタントだから情報が廃れる速度よりも循環が早い。悲しいサガかな。

f:id:marsaw:20180331143020p:plain

妊娠カレンダー 小川洋子

静かなる狂気。なんだかよく解らない。わかった気になれない。どこに向かうのか、どこでピリオドを打つのか。それが予想できなくて私は解釈をせずに引き寄せられる。想いの曖昧さはやはり芥川賞らしい。

妊娠カレンダー (文春文庫)

妊娠カレンダー (文春文庫)

 

リバース  湊かなえ

親友だと思っているのは自分だけかもしれない。鏡に投影する彼ら自身に私自身も投影する。胸の詰まりが開放される過程の只中では脇目なんてとても無理。カタルシスを感じて綿密に練られたあそこにスコンと着地する刹那、この先は嫌だと今更気付いても、もう遅い。痛気持ちいい。

老いの僥倖 曽根綾子

これまでの曽根さんのダイジェスト大全。40,50,60の過ごしてきた持論が層をなした1冊。この1冊があればどんな境遇でも惑わず煩わず進めるんじゃないか。どれだけ人を理解出来るか。変化していく自分と人間関係を味わい、心の振れ幅を楽しむ。うん。意外と理解してるかも。

百貨の魔法 村山早紀

あなたの記憶の百貨店がそこにある。私にとっては大宮そごう。できすぎた奇跡の話だろうと、ぱあっと幸福感と懐かしさが溢れて、形が定まってきた何かに胸が温められる。創作のせかいってやっぱり楽しいものです。御伽話みたいな、話だけれど。そんなのも素敵じゃないか。

f:id:marsaw:20180331143241p:plain

銀河鉄道の父 門井慶喜

虚栄心を持つことなく、精一杯に父であろうと、ともに成長していく政次郎。政次郎本人が綴るよりも父らしく、著者の父子像はおそらく真実よりも血が通う。自分はこんな父にはなれていない。うるさく支配することなく、不問に付すことの難しさは痛いほど思い知るばかり。

f:id:marsaw:20180331143313p:plain

最後の息子 吉田修一

切り取られた日常に突然放り出される。あっという間に流れに捕らわれる。そこには不穏な影が見え隠れし、私の視点は、自分の過去を重ねるでもなく、登場人物への同化もせず、カメラファインダーのように付かず離れず追いかける。全てを見透かす透明感が印象的。気持ちいい。

最後の息子 (文春文庫)

最後の息子 (文春文庫)

 

 

終電の神様  阿川大樹

熟練の文章力を感じる、と思って調べたら還暦を超えた作者。各キャラの設定が様々で、引き出しの多さを伺わせる。短編どうしを明確に結ばないのは別にいい。盛り上がらなくてもいい。表紙、題名、中身がちぐはぐな点だけ、出版元さんの演出だけ突っ走った感が否めず気の毒。

仕切り直す

f:id:marsaw:20180316100446p:plain

久しぶりです。
断酒445日が経過しているようです。
ここに至るまでスリップなし。
酒が無いことがデフォルトな状態に。
ほかの習慣が今の自分を満たしています。

この300日位はおいおい書くとして…

我ながら勇気あることだなと
自惚れたくなりますが
ブログの記事はそのままで
リネームして引き継ごうと思います。

2018年2月の読了 今月のテーマは女なの?

山女日記  湊かなえ

安宿で人が行き交うように、山女たちの織りなす刹那が浮かんでは足早に通り過ぎていく。ぬくぬくじゃないけど、クールな中に仄かな灯火。各話のラストでニヤァとなる。悩み解決の場ではなく、登山とは、その全てに自由があるのかもしれない。図書館に帰すのが惜しくなる一冊。

マカロンはマカロン 近藤史恵

第三弾は謎解きは少なくお客さまを取り巻く様々な人間関係。食べたいメニューを予約して何でも用意してくれるパ・マルに今日も人が訪れる。今回はブータンノワールやタルタル、ロティに意識が惹きつけられて、食べ物の記憶が残りすぎる笑。

f:id:marsaw:20180331135520p:plain

i(アイ) 西加奈子

なぜ憎悪にも似た嫌悪を抱くのか。とにかく主観、自分、自分…。自分が生きる実感を求めて実在の大量虐殺や事故死者を小説に登場させアイは存在肯定の糧にする。アイを書きたいのか、社会を書きたいのか、作者が抱く社会への想いが匂いすぎる。彼女と私は決して相容れない。

f:id:marsaw:20180331135640p:plain

AX アックス 伊坂幸太郎

どのページをめくっても楽しい。

「欠点を認め反省し改善を約束し相手に感謝」

…恐妻家の格言をメモりながら、殺し屋と父の二足わらじの兜の幸せ探索を追いかける。父親の貴重な記憶を覗かせてもらったような。あの時の彼の愛情と充実を想像すると、こんな風に生きたいって思う。

鎖(上) 乃南アサ

手に汗握る。登場人物に熱くなる。感情移入しすぎる自分が気持ちよく、その没入に浸りきっていた。第一作の相棒である滝沢刑事の人間味あふれる本音と、今作相棒である星野刑事の非道ぶりが対称的。柴田課長の伝説の取り調べが気になって、次作でも出てきてほしいと期待する。

鎖〈上〉 (新潮文庫)

鎖〈上〉 (新潮文庫)

 

太陽と乙女 森見登美彦

太陽と乙女/森見登美彦 #読了 作者を形作る記憶や考えを詰め込んだ宝石箱。13年間の友人の悩みや人生を吐露された気分になった。一つ一つが鮮明でどうして輝きを放てるのか。自分の記憶みたいに記憶描写が鮮やか。必見は、デビュー当時の受賞瞬間の『日記』。あとがきされた通り、ちびちび読むべき本。

 

すごい共感覚をもった文章〜

そのときは半袖のシャツでなくてはならなかった。 腕を撫でる秋の空気も切なくなるような冷たさが 気持ちよくぞくぞくしたからである。曖昧だけれども確かに身体が憶えている感触が一つ一つ自分の中に蘇るのだ。

胸打たれた文章〜

p.32 大人になるということは、自分の中にいる子供の目を、とりあえず閉じる方法を学ぶことだ。でも大抵の人は上手に自分の中にいる子供の目を開け閉めする。

この決意は残しておきたかった 〜

そして自分がかつてこんな文章は小説に使うべきものではないと考えていた文章、かっこつけたり体裁を整えたりしようと考えずにただ文章のリズムに乗り妄想を膨らまし、殊更尊大な顔をして相手から突っ込まれるのを待つ文章を使うことにした

 

 

地図のない場所で眠りたい (講談社文庫) 高野秀行 角幡唯介

地図のない場所で眠りたい #読了 早大探検部OBの対談本。amazon推薦で気になって手に取る。見据える先読みが短くて興味が先走るというこの人たちの精神的なタフさに、自分の悩みなんて矮小に見える。「探検ノンフィクションで小説より面白いものを書いてやりたい」とは…文章にかける想いが熱い。

告白 湊かなえ

外側の視点を見て嫌悪し、内側の視点を知って認識が塗り替えられる。何が真実かなんて視点次第でどうとでもなる。話の筋よりも、狂気とも正気ともつかない感情への興味が尽きず、その振れ幅の大きさに「私はこういう話が楽しくて好きなんだ」とサイコパスでドス黒い自分を再認識。

甦る殺人者: 天久鷹央の事件カルテ (新潮文庫nex) 知念実希人

この一年で知念作品を13冊も読むと、さすがに犯人を当てるのは早くなる笑。それでもカラクリを追いかける安定した面白さがあって一気読み。コミカルな描写も好き。二人の信頼関係が出来て、小鳥の猛獣使いぶりが板についてきたことが少し寂しい。

鎖(下) 乃南アサ

監禁され自らが信頼できる人間関係を自問する音道刑事の数日間にじれてじれて、早く助けたい一心で駆け抜けるように読み終わった。音道響子シリーズは、突き抜けるような疾走感と、トップスピードで前しか見えなくなる没入感がある。それがとにかく爽快でたまらない。

鎖〈下〉 (新潮文庫)

鎖〈下〉 (新潮文庫)

 

 

海外ドラマはたった350の単語でできている Cozy

honto電子書籍セールで購入。確かに海外で字幕無しの映画を何度も見てると類推学習で内容はつかめてくる。海外ドラマはハードル高いなと思っていたら、北米版ジブリ、ディズニーを観るって主旨は非常に理に適ってる。 

海外ドラマはたった350の単語でできている

海外ドラマはたった350の単語でできている

 

BUTTER 柚木麻子

一皮むけば見たくないものが出てくる。どれが本当の中身だろう。男と女、己の砦、恥、群れと孤独、欲望が巧みに活かされ、料理の全貌は見えてきて、必ず自分や誰かを見つける。バターは再び固まるように、本当の自分がみっちりするように、胃もたれしない満腹で安心する。

f:id:marsaw:20180331140657p:plain

対岸の彼女 角田光代

群れたり廻りに合わせたり、大切な時間を過ごした相手が今も同じ思いなのか不安になることは女性ばかりじゃない。歳をとることの漠然とした怖さを滲ませて心がおだやかになる一冊。本当に必要なのは、寂しくなくなる誰かでなく、一人でいても怖くないと思わせてくれる何かだ。

対岸の彼女 (文春文庫)

対岸の彼女 (文春文庫)

 

マラソン1年生  たかぎなおこ

我が家のバイブルと言っていい。何十回も回し読みしてる。勇気、友情、努力の少年三拍子でフルマラソンまでの道のりを描く。日々前進!昨日より今日の自分!今の自分が何歳であろうとも、それを味わうことができるからマラソンは皆に人気なんだと思う。完走果たしての感想。

f:id:marsaw:20180331140728p:plain

 

2018年1月の読了 村上海賊が好きすぎる

罪の声 塩田武士

お菓子が買えなくなったあの年。かいじん21面相を知って、江戸川乱歩を手に取ったっけ。あの声の子供は実在すると改めて考えると現実と見境がなくなる。事件を見ずに今ある人に目を向ける作者の思い入れが優しい。途方も無い読み応えだった。久々に何日もどっぷり浸かれた。

アンマーとぼくら 有川浩

家族の成り立ちを沖縄の観光案内が導いていく。旅猫カフーと似てると思ったけど違う。有川キャラの『気遣い』に出会う度にじわっと目の裏が熱くなる。うるまの果報バンタや勝連城、残波の鯨波に思い出が乗り写る。いつか行きたい。きっとこの小説を思い出す。

火花 又吉直樹

持てる語彙力と思索、哲学のすべてを注ぎ込んだかのような迫力に圧倒される。「人を傷つける行為って一瞬は溜飲が下がる。でも本人は全く成長しない」ーー神谷の長台詞に心が貫かれたまま暫し呆然とした。叩きつけるような暴力に揺さぶられる感情的な読書体験だった。

火花 (文春文庫)

火花 (文春文庫)

 

村上海賊の娘 上巻 和田竜

時代解説と各勢力が静かな前半は時代物はやめようかと挫折しかける。ところが人物が移動し始めると個性がどんどん自分に浸透してくる。合戦で我を通した二人が、p432「おい義清、なんぞ下知せんかい」互いが認めあった瞬間に、全身が喜びに満たされた思いがした。

村上海賊の娘 下巻 和田竜

 この本を読んで本当によかった。蒼臭い中堅の時期を過ぎた頃の男なら『安寧か意気地か』に何度も胸貫かれ、自らの在り方に照らすはず。ここまでの執念を持っていたか?逃れがたい自らの性根は受け入れて、誰憚ることなく誠実に刺激、執念を求めて仕事しようと奮いたった。

f:id:marsaw:20180330011427p:plain

雀蜂 貴志祐介

貴志さんには珍しい短い中編。世にも奇妙な物語と同じ進行時間感覚でサバイバルを楽しめる。読み進めると色んな小説のデジャヴが感じられる。貴志さんが何を読んでるのか、おぼろげに想像しながらほくそ笑んでいた。ミザリーをやってみたかったんだろう。そういう楽しみ方もありか。

雀蜂 (角川ホラー文庫)

雀蜂 (角川ホラー文庫)

 

あとは野となれ大和撫子 宮内悠介

干上がったアラル海に難民孤児が集う架空の国アラルスタン。大統領暗殺、議員逃走、行政麻痺の中、後宮の女子達は代理政権の委任状をでっち上げる!ああ、なんて素敵な設定なんだ。シビアな問題を軽快に切り抜ける。小説かと思えば叙事詩。リズムの融合が秀逸。

f:id:marsaw:20180330011447p:plain

鶏小説集 坂木司

コンビニあげチキが結ぶ人達の迷いとかけて鶏肉ととく。その心は羽ばたき。読後に食べた「じゅわ」と同じ味深い短編集。あげチキつなぎの発想が面白い。中高生の短編と40後半父の短編で何度もタイムスリップ。思春期子供との同居ってほんの数年。何気ない一瞬に気遣いしたくなる

雪には雪のなりたい白さがある (創元推理文庫) 瀬那和章

幾つも著作を読み漁っても尚、目が引き寄せられる描写表現。そして、瀬那作品の根底にある「約束」の存在。それは呪縛にもなるし誇りにもなる。夢が叶わず何者にもなれなかったらどうする?かつて描いた夢、今ある現実、その連なりこそ本当に必要なもの

まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫) 三浦しをん

初しをん。川の流れのような静かな文章が小気味好い。この境遇、依頼をぽんぽん考えついて幸福の再生に結びつけていく。まほろの世界観にハマりっぱなしな数日だった。不幸かもしれないけど生き方に満足してる人達を見てると、悩みなんて消し飛んでしまいそう。

f:id:marsaw:20180330011555p:plain

羊と鋼の森 (文春文庫) 宮下奈都

起伏に富むわけではないのに本を持つ手が離せない。残り頁これしかないの!?と惜しみながらの読了。理屈で分析したくない美しく善い話。どうすればうまくなる?という再三の疑問、純正律に調律するときの「絶対なし無駄なし余裕待ってられない」という覚悟には初心が奮起される。

f:id:marsaw:20180330012925p:plain

花散る頃の殺人 乃南アサ

音道貴子シリーズ第二弾。一年の間の些細な事件の数々。地味な処理のなかに人間臭さが溢れていて、次の長編を見据えた設定集みたいだった。お清めと称してしきりに晩酌に行き、大晦日の締めにお屠蘇で盛り上がる男文化の象徴がなんだか懐かしい匂いを感じさせる。

女刑事音道貴子 花散る頃の殺人 (新潮文庫)

女刑事音道貴子 花散る頃の殺人 (新潮文庫)

 

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫) 綾辻行人

30年先延ばした初体験が終わった。予想を外れさせる『柔軟な枠組』。ニックネームの妙を炸裂させるタイミング。手品のミスディレクションにやられた時の清々しさと高揚感を満喫した。丹念な作り込みにギュッとしたくなる。他作家の原点にあることが今更よくわかる。

くちなし 彩瀬まる

取り外す感情、寄生する愛情、昼夜分かつ家族、貪欲の果て、産卵する社会の営み…よくこんな捉え方で世界観を発想できる。今までの自分を失くし別の自分になることを経験したことがあるか。私はその解放感と喪失感に憶えがある。おぞましいシンクロに感じる酔いが気持ちいい