なだは射程距離内に入ったぜ

40代になると人生の射程距離が見える。でも、今日も伸ばしてみせる。出しな、お前のキラークイーン。

2018年10月の読了 大正と昭和

気が付けば大正と昭和の激動

生き方に魅せられた1ヶ月でした

長い人生と体感を味わえる…個人史と歴史が交わる多視点の良いところです

光炎の人(上) 木内昇

2017Bookbar大賞本。まだ電気が謎多き時代。男は生計ではなく只只電気に没頭する。根源を考えず狂おしい自我を育んで。仕事に純粋な興味を求めるもの、身を立てるもの、存在証明を目指すもの。目の前の大正が何千ページ続いても構わない。生き様がとにかく面白い。

 

光炎の人(下) 木内昇

あなたの最たる指標は何ですか? 各々の生き様が訴えかけてくる。電気に魅入られた原石が濁りつつも磨かれる道程。技術史に名が残らずとも、考察は時の流れに溶けようとも、自らを量る指標の答えはあったのだろうか。自分の生き様を振り返っている錯覚にさせてくれる。 

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記憶屋 織守きょうや

弁護士高原と使用人外村はシリーズ化して欲しいほど、身悶えしたくなる同居生活。貴重な高原編を含めて、共通の怪人記憶屋を追いかけるのだが「ゾッとする」語が頻出するし、持論は全部長台詞に乗せるし、後半は別人が書いてますか?と思うほど。続編に指が伸びるかどうか。


火焔の凶器 知念実希人

包装された漫画を早く読みたくてうずうずして家路を急いだ記憶がある。袋を破って読むのが勿体ない思いと、読み尽くしたい思いが混ざったまま、読了後は満足感に浸る。天久シリーズほど、あの日のドキドキを思い起こせるものは無い。脳内映像回りっぱなしでした。

火焔の凶器: 天久鷹央の事件カルテ (新潮文庫nex)

火焔の凶器: 天久鷹央の事件カルテ (新潮文庫nex)

 


博士の愛した数式 小川洋子

博士は短い記憶を補うために情報をメモにのせる。ただの文字ではなく想いまで乗っているように博士はメモで再生する。 自分はこう思っている、ということを誰もが自覚して自分を生きているようで、ぬくぬくとしたこの時間がこのままずっと続いても構わなかった。

ロードムービー 辻村深月

ルサンチマンで苦しくなった塊。背景が見えた瞬間にジュワッと溶けだして、その直後、胸に訪れる未来への予感。そんな4編。未来に進むのは今の感情を忘れることになるかもしれない。でも大丈夫なんだよ。思い出すことが幸せになるんだよ。羽毛に包まれるような読後感。

マイナス・ゼロ 広瀬正

時間旅行SFの名作と名高い本作。世相の解説が文字の大部分を占める、このからくりのための下拵え375頁。全体を通して、ラジオ工作というか、マイコンプログラミングというか、小説というより戦前論文にアイデアを書き下した感が拭えない。とにかくも「サブルーチン」


風神の手 道尾秀介

鮎の伝統漁の町の35年に渡る繋がり。バタフライエフェクト好き。コミカルに笑わせるのではなく、何度も自然な笑いが出る。読み終わるとすっきりと幸せな気分が心に留まる。感情をかもし出す叙情的な文章からは心地いい言葉の引力を感じさせる。初読み作家、これ良い。

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五色の虹 三浦英之

満州エリート養成機関『建国大学』。未来を抱く日中朝蒙露の5民族が辿った夢飛び散った後の個人史ルポ。貴重なる語り部達の生涯最後の声がある。過酷すぎるその半生の中でも確かにあった幸せがこの本で理解る。啓発本なんか絶対敵わない。これは生き方を綴った実在の作品だ。


10月の最後はとてもいい本で締めくくった。著者は朝日新聞の記者さん。この実録には、李香蘭や姜首相が御歳94歳とかで実際に出てきます。絶望の縁にある時に人を救うのは?それぞれの答えがあるよ。

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2018年9月の読了 後悔や過ち

後悔や過ちがテーマなのでしょうか?

そんな9月の読了本たち。

「いい子をやめれば幸せになれる」 これが月間ベストです。

ちゃんとレビューを書きたくなるくらい効果のある本です。

 

ファーストラヴ 島本理生

名付けをされ、言葉にし、受け止められ、心は形を成す。拒絶や否定される異性の想いを追体験するに十分たる筆力だった。我が身を振り返ると、あの時心通わせた相手は本当に通っていたのか。何が恋愛だったのか。名付けることに対し、男たる私に一抹の後悔をほのめかす。

リアルフェイス 知念実希人

最高です!知念作品の中で一番好き!限られた人数で予想がくるくる変わる。確信が出来てからの加速と突き抜け感。何よりも仕舞い方に衝撃を受ける。まさに美しい筋書き。作中に純正医大の空手部繋がりが出るので、今後の天久・神酒リンクも楽しみで仕方ない。

キャロリング 有川浩

気が付けば誰かを利用している自分がいる。そんな自分を皆が見出し、自分に向き合う決意をしていく。くぅー!有川節だ。舐めんな、日和んな、健在!。だけれど、離婚やDVの息苦しさがまとわりついて離れない。登場夫婦4人…自分の中に彼らを見つけそうで、それがモヤモヤ。

まほろ駅前番外地 三浦しをん

語り手が代わるスピンアウト。町田の世界が果てしなく拡がっていく。各話の語り手が織り成す一言を拾っていく楽しみよ。私のお気に入りはやはりこれ「一生、あの気持ちを知らずに過ごすひともいるだろうが、私は知ってよかったと思ってるよ」後悔なんてありえない。

濃厚デザート 隈部美千代

ダブルチーズ!ダブルクリーム!わっしょーーい! ところが…アイスレシピがこの本の真骨頂。マシュマロで作る異色のレシピなんですぐ試したい。メロンアイスクリームボートとか素敵すぎです!


屍人荘の殺人 今村昌弘

ミステリにあれとのコラボを持ち込む。トリックにあれを融合させる度合いが愉快で笑みが止まらなかった。あれは最大のネタバレなので言えない。しかし、キャラの色付けが厚くない。続編への布石なのか、今作では仕舞いきないのか。S&Mみたいになったら痛快だな。

いい子をやめれば幸せになれる 山下悠毅

私の主治医の執筆本。知り合いの内面を知り人柄も含めて彼のことが更に好きになった。感情や依存など、思考の前提を替えベクトルを誘導することで自分コントロールを説いている。自身の言動を実況中継する「セルフレポート」という方法がとにかく効果覿面。

校閲ガール・アラモード 宮木あや子

前作の時間軸にあった脇役達の裏側スピンオフ。キリリとした文章と頭のいい台詞回し。この人の編み出す言葉の羅列は、実は計算され尽くしたものなんじゃない?と妄想する。本の編集の世界とはやはり書いてあるとおりなのだろうか。満たされる瞬間は羨ましい。

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スタンドⅠ Sキング

1978年製の初期作パンデミック開幕!大人買い出来なかった学生の頃に読みたかった本。次々に人物を立たせ、連鎖を追い切れないまま、次々に退場させる。それをなんて活き活きと書くのだろう。正気を失くした言動がのたうち回る。このドキドキがキングだと思い返す。Ⅱに続く

ミステリークロック 貴志祐介

防犯探偵榎本の超理系ミステリー。こんなトリックは予測できない!難解に過ぎて、初見の知識も豊富で、かと言って流れに身を委ねることも出来ず、大変に時間を要する読書でした。いやいや…ヘトヘトです。

2018年8月の読了 試験前です

月末が試験だったんです。家族旅行とか帰省とか大変だったんです。仕事のトラブルでレンタカー続きだったんです。

読書を始めてから月間5冊は最少。

今月の狭小住宅はかなり好きですよ。

 

 LIFESHIFT リンダ・グラットン

人は過去から未来を描こうとする。90年lifeでは親の生き方は踏襲できない。65歳まで働くの?が60歳以降にどんな刺激的な仕事をしようかに変わる。人は、長寿を断定されるとこんなにも計画が楽しくなるのか。今すぐ前向きにスキルを磨きたくなる。でも長かった。 

ゲームの王国(上) 小川哲

人は理不尽さに対してどう対処するのか。ポルポト時のキリングフィールド。数多の視点で死が舞う。虚言の密告が連鎖し、痛みを受け容れ、無限の善の為にあらゆる有限の悪を許容するーー「理想」が最も残酷と気付く。この物語は人の本質に関する壮大な実践場なのでは。

ゲームの王国(下) 小川哲

カンボジア内戦の未来が舞台の下巻。『感情とは物語です』ーー記憶の読み書きを中軸にしてスピードが一気に増す。膨大な知識を惜しげなく展開する頭の良さが光り、要所に出てくる行き方の哲学に賛意ばかり。読み返す度に発見もあり、楽しい作家を見つけた興奮冷めず。

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狭小住宅 新庄耕

ブラック企業の青春小説?否、短いのに深い。特別な自分を演出し、刹那の数字に没頭し、価値観を受け入れて順応する。自らの通ってきた道に当て嵌めると、ぞっとする虚脱感が襲ってくる。若い人と味わいが違う話。空虚は埋めるか蓋をするか。今だからこそじっくり考えてしまう。

君の思い出が消えたとしても 才羽楽

あなたは一月後に死ぬ。でも思い出を寿命に変えられるよ。 世界観や視点は計略と同じ雰囲気。今回はどんな計略が渦巻いているのか、あの時の衝撃のような計略を味わいたいその一心。その気持ちを持ち続けることとして、今はまだぐっと言葉を飲み込みます。

2018年7月の読了 スーパー熱帯夜の日々を思い出す

7月のツイートを10月末の現在から振り返ると、暑かったんだな!大変だったんだな!と声をかけてやりたくなります。この日の暑さと、神々しさを生涯忘れないと思う。

この月のベストブックは「キネマの神様」です。

 

 

 

ニコニコ共和国 小川糸

振り返った時、歩いてきた道に何が見えますか?ーー前作から1年。みんなの生活が移り変わる。この話を読んでると今は亡き親戚の叔母さんの家を思い出す。親しいようでいて芯まで入れない。けれど形や手触りは我が身に感じたまま。今の物事を大切にしなきゃと思わせます。

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キネマの神様 原田マハ

手紙や演説、想いを文章にするお話となれば原田マハの真骨頂。文章には温もりが、比喩には労りが、結びには希望が込められている。陰と陽に目を向ける対称的な二人の批評は登場人物たちの生き方を象徴している。まっすぐな言葉が起こす変革。気付けば頬が涙でベタベタ。

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選択の科学 シーナ・アイエンガー

人間は選択を生み出す。理想の自分と不協和が生じれば自己すらも選択する。乱暴に言えば、自己とは選択を繰り返す動的ゆらぎである。でも人間は意外と選択に選択を誘導されてる。そんな研究対象である「選択」に神秘と美さえも見出だす。人間らしさこそ選択か。

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神去なあなあ夜話 三浦しをん

こんな生き方もあるんだ。「食えて眠れて、また山へ仕事に行けるならそれで充分な気がしている」この一節が頭に残ってる。ライトな語り口。にくい展開やとぼけ具合。膝をパンパン打ちながら楽しい読書だった。しをん世界では、どんな生き方でも肯定したくなる。

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名前探しの放課後(上) 辻村深月

3ヶ月前からのタイムリープで幕開け。飲み込めない状況から、徐々に仲間が増え、胸の内を晒け出していく。密度が濃い高校生の日々を大事にしたいのにぐいぐい読み進めてしまう。心の奥にある、軋むような何かが弾けるのを怖がる気持ちが、尚更速度を上げさせる。

名前探しの放課後(下) 辻村深月

2周目は別の話になる。即座に2周目を読み漁り、騙し絵の快感さに力が抜けていく。2周目も楽しい。それとは別に読み途中で頭を巡っていたのは、人は、学生の頃の一つ一つの思い出を、いつまで、どこまで、その想いまでを、持ち続けられるのか。少し…切なくなった。

護られなかった者たちへ 中山七里

生活保護を扱う刑事もの。現実を容赦なく、生々しく、1度は気分が悪くて読むのを辞めようかと思ったのに…なんだろう。主張が前面かもしれないけど、なんだろう。批判なんて出ない。一気に読ませて、別の作品もすぐ読みたくなる、底知れぬ作家さんですね。

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未来 湊かなえ

装丁に負けないドス黒い境遇、出来事。救いなさの連鎖。別世界の話とは割り切れなくて、決壊して押し寄せてきそうになる悪魔の処遇たち。酷いことのオンパレードの何かは、ややもすると自分からも発露するのでは?それが怖くて必死で読み抜けた。でも、マドレーヌは焼きたくなる。

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2018年6月の読了 読めない月

7冊!? 断酒してからこんなに少ない読書冊数は初めてです

仕事が切羽詰まったのと、ロードバイク通勤にしたからなんですよねーーー…

今月は騙し絵の牙が面白かったですね

事あるごとに話を思い出してしまうくらい心に刻まれたようです

 

福袋 朝井まかて

落語と現代語が入り交じり、キリリ、スッキリした読後感で尾をひかない。なのに読書中はその人間臭さに自分の感情が湧いて、登場人物に対して無用なまでの好き嫌いを感じている。長編になるとどのくらい掘り下げてくるのか気になる。 

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冷たい密室と博士たち 森博嗣

素晴らしい!全く歯が立たなかった。綿密に構築された論理と、解き明かされる過程での誘導。裏の裏は表とは。そのフレーズだけでこの本を思い出すだろう。理系人間が論理回路を無限に弄り回し、なのに動機はどこか文系的に儚く。シリーズ何冊も続くとはまさに僥倖。

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たゆたえども沈まず 原田マハ

ゴッホ兄弟の苦悩に生を与える。アートの背景を知らしめる点で好奇心が満たされる。ただ…この有名な素材をピュアに料理して、伝記止まりになっている点。サロメもそうだった。伝記創作には謎や転換要素が無い。お門違いかもしれないけど物足りない。楽園Lv欲しい

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この嘘がばれないうちに 川口俊和

亡くなった人に逢いにいく4人。過去を変えるのではなく何かを伝えるために。自分が変わることに気づいた前作に対し、故人を幸せにすることに気付く今作。4人が気付く「故人を幸せにする方法」とは。相手のためにひた隠すその願いと答は、ほっとさせてくれる。

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騙し絵の牙 塩田武士

大泉洋を当て書きに出版不況を現在進行で実況する。公私の存続に奔走する雑誌編集長速水の人生の歓びと喪失を同化体験。現実に戻れて心底ホッとする。罪の声同様、心理的駆け引きでの動作や言葉の機微が瑞々しく、没入感と後引き感は外れ無し。騙し絵、標題は予想もできない

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サピエンス全史(上) ユヴァル・ノア・ハラリ

人間が動物と一線を画するのは虚構という存在を生み出し大量の人が共同作業をすることにある…多分そうなのだろう。国も組織も物語もそれらは実体がない。序盤で心を掴み、中盤は弄び、最後は統一に向かう世界を帝国のサイクルに重ねてくる。どうしようもなく納得してしまう

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小説家の作り方 野崎まど

些細な設定から展開が連なり、膨大な選択肢のある空間に拡がった後、綺麗に折り畳まれる。作中にある通り「基準を作り、それを守り、時にそこから逸脱する」。読者の受け取り方を軸にして、プロットを練りに練る、そんな心遣いのある作家さんだなと感じる。推しである。

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2018年5月の読了 別人の文章

2カ月以上前の読了記録たちを今の自分が見るととても新鮮ですw

他人が書いたように感じるのは、特にこの2カ月で何かが変わってるんでしょう

明るい文章のツイートも多く、自分を見てみて光線も強く、それが月末の昇格無しで人が変わったようになっています

…って、まぁ。。。心の奥では物事に冷めてたんですね。

かがみの孤城 辻村深月

他者の本当の問題は簡単にわからない。不登校に留まらず、幾重もの目線で人の生きづらさを体感させられる。辻村作品にいつも感じる。彼らの繋がりと離れるのが本当に名残惜しい。彼らが仕組みに気付いてからのうねりと、幕が次々に開いていく様は誰しもの心に残るはず。

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「続ける」技術 石田淳

要点はおそろしく短く、ブログの記事で終わるほど。目的を明確化しトリガーを配置しブロックを排除する。そしてサポーターを配置しておくこと。行動科学というより、動物心理をプログラムしておくかのよう。あえて私の言葉を補うと、大事なのは、感情が湧く隙間を与えないこと。

 

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おらおらでひとりいぐも 若竹千佐子

独居老女が歌うように東北弁のリズムを刻み、あらゆる意味を付けようと夢遊する。先行きが短い前提での話運びや厭世観。やはり忌避する気持ちと魅了とが混ざって心が落ち着かない。「日々を重ねて初めて手に入れる感情」とは味わい尽くしてみたいものよ。

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青くて痛くて脆い 住野よる

会話の流れを分析する独り善がりは、その名詞で凍りつく。距離感を保つルールを曲げた果てに、互いに傷つけ叩き潰す暴力の応酬は圧巻すぎて、記憶に残りすぎる。自分の外に理由を探さず、もし見つけても暴力の目的を自問しないといけない。それが青くないということ。

神去なあなあ日常 三浦しをん

摩訶不思議な林業ワールド。文字通り、なあなあ日常としか言えない。読み終わって表紙を拡げて似顔絵ににっこりしてしまう。日記体で書かれたそれは、素朴で心の触感みたいなものが気持ちいい。村中のみんなで騒いでる賑やかさは理由もなく楽しいもの。

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ダヴィンチコード(上) ダン・ブラウン

巻紙を手繰るように、するすると止まらない展開。海外ものはアイドリングが長いことが多いのに、これは重厚な歴史を要所に散りばめて、のっけから飽きさせない。ただ、何年後かに筋を覚えているかというと自信が無い。

ダヴィンチコード(中) ダン・ブラウン

読者に対しキリスト教世界をレクチャーする中巻。宗教融合の考え方と聖杯伝説の謎。聖書は王家の子孫の物語であるって…。なんだか現実がゲームみたいに見えてくる。ラングドンとソフィーが逃げ延びるとわかっていてもドキドキは止められない。

ダヴィンチコード(下) ダン・ブラウン

黒幕を推察することも忘れ、ずぶずぶとのめり込む。下巻の没頭具合は上中とは別格だった。荒俣氏の解説通り、ヨーロッパの陰の歴史を味わう。聖書という原点を純真無垢な状態から立ち返る。日本人こそ楽しめるのでは。現代の宝探しに興奮冷めやらない。

 

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月の満ち欠け 佐藤正午

もしかしたら別の人間に生まれ変わること。それが死、なのかもしれない。月が満ちて欠けるように巡り合おうとする想いの話。私にはこの妄想みたいな現実は、無間地獄さながらで最後までずっとおそろしかった。執着するのは感情からなのか、格言と短歌に操られてはいないか

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上を向いてアルコール 小田嶋隆

文化的な営為が薄れ度数計算を始めたら奈落の入口。ほろ酔いは伸ばせない。辞めるとは決意や忍耐ではなく、人工的な計画行動として、過去を組替え生活プランを意識的に一から再構築すること。何かを一生我慢するなんてありえない。脱却者として厚く共感する。

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SHOE DOG PHIL KNIGHT

自伝は美化するもの。でもこれは性格悪さを自覚しての壮大な面白話になってる。追い込まれたasicsの下請販売店、後のNIKEが翔くまでの話。裁判でも交渉でもその過程には笑うまいと必死に耐えるナイト。自伝をこの形にする謙虚さこそ、かくありたし。

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BOOK BAR 大倉眞一郎・杏

歴代BOOK BAR大賞が載っている。読みたい本を15冊仕入れることができた。永い言い訳/西川美和、マイナスゼロ/広瀬正、ぼくと1ルピーの神様(スラムドック原作)が特に読みたい。

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ルビンの壺が割れた 宿野かほる

伏線?こういうのは伏線ではない。ましてや手品でもない。揮発性が高すぎて、読了後分刻みでどんどん中身を忘れていく。むしろそうしたいのか。それが私の本音だと思われる。

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東十条の女 小谷野敦

開いたら何が出るかなと借りてきたら、著者の女性遍歴を綴った私小説を含む短編だった。「東十条の女」では、42歳独身著者が婚活で出会う女性とオフパコな日々を過ごす描写に頭がくらくら。無駄に官能的で、子供の横でとんでもないものを読んでいるスリル。

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ディアスと月の誓約 乾石智子

これは欲望と知恵の物語。夜の写本師の世界との接点を追い求め久々の乾石世界。「赤金色の閃光が笑いと共にはじける。たちまち全身に星くずとなって広がる」みたいな描写はこの人しか書かない。時が巡る悠久さはこの作品からも感じられた。湯上りみたいな気持ち良さ

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どうか気持ちに潤いを。

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DIYする重厚な本棚

制作理念

我が家では30cm以上の物体を買うためには家族会議が必要だ

結婚して〇〇年

不要なサイドボードや、エレクター家具や、トレーニング機器や長い支柱など、エイヤッと大きなものを買っては、最終的に粗大ごみに高い金を払うかディスクグラインダーで切り刻む歴史を刻んできた

だから本棚に求められる条件は

  1. 分解可能であること <柔軟性>
  2. 分解後のパーツは30cm以内か、転用できること <環境性>
  3. 市販品クラスの耐震性があること <安全性>

事業理念みたいだな。。。

 

前置きが長くなった

つまり本棚に求められるのはディアウォールということだ。

今回は2016年に作成したエコ仕様のリビングボード(木材と木ねじのみ)↓に続く、本棚の増設をまとめる。

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突っ張りのコスト比較

ディアウォール系DIYのコストを左右するのは、天井金具の種類!

これに尽きる!というかこの材料以外はこだわるものがない。

有名どころの3点を比較すると、八幡ねじのアジャスターがコスト一番。

数年前は八幡ねじ以外は¥1,000だったけど、競争原理によるものか。。。現在はどれを選んでも変わらない状況になっているようだ

  • 若井産業ディアウォール ¥800 上下1セット 但し、賃貸入替期は¥1,200
  • 和気産業突っ張りジャッキ ¥871 ¥1,742 1箇所
  • 平安伸銅工業ラブリコ ¥880 1個入り
  • 八幡ねじアジャスター ¥570{¥255+フェルト¥315(2個入り¥630)}
平安伸銅工業 LABRICO  DIY収納パーツ 2×4アジャスター オフホワイト DXO-1

平安伸銅工業 LABRICO DIY収納パーツ 2×4アジャスター オフホワイト DXO-1

 
WAKI Walist突っぱりジャッキ 黒 WAT-001 クロ

WAKI Walist突っぱりジャッキ 黒 WAT-001 クロ

 
八幡ねじ 位置調整金具 アジャスター 25mm 2×4材用 1個
 
八幡ねじ フェルト付アジャスター M620パイBE 2個入り
 

設計図のコスト比較

小説の単行本がちょうど収まるサイズを模索し、埋まった場合の重量、板の張力などを考慮した結果、次のような設計図面となる

  • 壁までびっちり埋まらない2x4コスパ
  • 見た目にこだわった2x6版

【図面】

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【コスト合計】

内訳をご覧になる前に、絶対に電動ドライバーを買って!

手でやると間違いなく心が折れる

楽しくなくなる

そもそもSPFに木ねじ38mmというのはかなりの力を必要とする

シマホに行けば、コード式のが1980円だけどビットが別売り。。。 

 

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倍半分違ってくるので、横からの見た目さえ気にしなければ2x4版を推奨する

そのほか注意点。

  • 木材は反ってるものが多数ある。せめて2400mmの2本はまっすぐなのを確認すること。横板の水平すらもとれなくなるので。
  • 木材3,000mmは実際には3,030mmくらいあるので、カットの際は巻き尺を持って行って1515mm位を指定するか「ちょうど半分にして」をお願いするか。くみ上げるときに長さがちぐはぐになるから
  • ちなみに、地味に注意なのが「木ねじ」。4.1φだと頭が埋まらない。3.8φです。ホムセンで売ってない場合があるのでリンクを残しておく

 

制作フロー

塗装

和信の油性ニスはカラバリが多く、ニスというより塗料

SPFが別の木材に化ける

今回はチークを選択

冒頭の写真はウォールナットなので参考にどうぞ

なお、全面を綺麗に塗るニスは勿体ない

図面で「太線にしている面」を2度塗りすれば、あとは人目に触れないのでお勧め

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アジャスターの取り付け

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L字金具の取り付け

定規で25cmごとに横線を引いて

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ガムテか養生テープで金具を固定してからねじを打ち込むとよい

(下の写真のねじは4.1φ。。。浮くでしょ?)

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組み立て

よいしょっと持ち上げて、最下段だけはL字金具を逆向きに取り付ける

横板を金具のうえに載せて、念のため、水平を確認したら下から左右一か所だけねじを打ち込む。地震が来た時に棚が落ちないようにするためですな。

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なお、L字金具は全部打ち込んでからにしてくださーい

↓このように、打ちながらやると水平がとれなくなるからです(失敗した)

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仕上げチェック

以上バラしやすい本棚

かがみの孤城がジャストサイズです!

 

大学生の一人暮らし、単身赴任のおともに最適!

この記事を見て作るような人がいたら、これほどうれしいことはない!

本当に作成したらぜひぜひ写真を送ってください!

 

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